研究課題
26年度の研究では実験動物を使った基礎研究と、臨床研究として抗凝固剤使用患者の前立腺癌放射線治療における直腸粘膜障害の評価を行った。基礎研究では、放射線照射後のマウスでの直腸粘膜障害の評価基準として、血管の形態測定と、炎症細胞により評価、組織評価基準を明確にした。臨床研究では、既存前立腺癌放射線治療患者の直腸粘膜障害を、抗凝固剤使用の有無、照射データで解析。照射データは3次元放射線治療のDVH(dose volume histogram)、障害の程度はRTOG評価にて行なった。さらに放射線治療前のGleason score 、PSAの値によりrisk分類を行っている。研究期間全体を通じての研究実績概要は、基礎実験系で当初実験施設としても登録された大学病院放射線治療施設を使用してきたが、患者数の増加、放射線治療機器の老朽化によるメンテナンスにより動物実験に使用することが事実上不可能となったため、大学動物実験棟の実験動物用照射装置にて代行した。しかし同装置ではマウスの照射は可能であるがラットの照射は不可能であったため、実験系をラットからマウスを対象としたものに変更した。そのためマウスについての放射線照射後の直腸粘膜障害の評価基準を明確化する必要があり、亜鉛製剤投与・放射線照射群での病理組織標本を全て再検討し組織評価基準を作成するため予定外の時間を要した。そのため、一部達成できない実験系が残った。臨床研究では既存前立腺癌放射線治療患者の直腸粘膜障害の患者背景および、放射線照射データの取得が完了している。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件)
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