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2013 年度 実施状況報告書

新規ヒアルロン酸-ホウ素結合体を用いたホウ素中性子捕捉療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591855
研究機関広島国際大学

研究代表者

笠岡 敏  広島国際大学, 薬学部, 講師 (90338690)

キーワードBNCT / ヒアルロン酸
研究概要

本年度は、当初予定していた京大原子炉の後期運転が年度内に再開できなかった関係で、5回の中性子照射実験を全く施行できなかった。このため、前年度に作成したホウ素化合物結合ヒアルロン酸ナノパーティクル(B-HA-NP)を用いたin vitroにおける中性子照射実験等のスケジュールが現在も大幅に遅延している。そこで、本年度はホウ素担体の追加オプションとして、ホウ素の有力なキャリアーであるカチオニックリポソームをBSH担体に用い、負の電荷を有するヒアルロン酸をその正電荷のマスキングに利用し、且つCD44を介した取り込みを併用したヒアルロン酸結合カチオニックリポソームを新規調製した。
ヒアルロン酸結合カチオニックリポソームはカチオニック脂質にトランスフェンクションに頻用されるDOTAP〔N-[1-(2,3-Dioleoyloxy)propyl]-N, N, N-trimethylammonium methyl-sulfate〕)を用い、逆相蒸発法で水相にBSHを溶液を用い、十分な量のヒアルロン酸を静電的に結合させて調製した。この結果、リポソームの平均粒子径は159.2±35.2nmとなり、ゼータ電位は-0.95 mVで、BSHの封入率は平均11.5%であった。このリポソームを、10%血清またはヒアルロニダーゼを含有した緩衝液中で6時間までインキュベートしたところ、ゼータ電位は5.9 mVと正電荷を回復したことが確認できた。このリポソームを用いて細胞内への取り込み実験を行ったところ、血清等とのインキュベート前のリポソームではCD44を介した取り込みによりも、インキュベートにより正電荷を有したリポソームの方が細胞内のホウ素濃度が最大3.5倍上昇し、ヒアルロン酸の脱離・分解を介したカチオニックリポソームの高い取り込みが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度は、当初予定していた京大原子炉の後期運転が年度内に再開できなかった関係で、5回の中性子照射実験を全く施行できなかった。このため、前年度に作成したホウ素化合物結合ヒアルロン酸ナノパーティクル(B-HA-NP)を用いたin vitroにおける中性子照射実験等のスケジュールが現在も大幅に遅延している。

今後の研究の推進方策

25年度の点検整備にかかる原子炉の運転中止に伴い、26年度は25年度分も含めた中性子照射実験を予定している。さらに、25年度に行ったカチオニックリポソーム等の新規キャリアーも含めたホウ素担体各種と24年に行ったエレクトロポレーションの併用により、in vitro、in vivoにおけるBNCTの効果を検討していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

当該年度に、中性子照射実験用に細胞培養等を予定していたが、原子炉実験施設の後期における年度内の共同利用が中止となったために、施行できなかった。このため、これらの費用の一部が次年度使用となった。
26年度に、予定していたin vivo中性子照射実験に加えて、in vitro中性子照射実験を行い、繰越金を利用させて頂く予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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