ホウ素化合物結合ヒアルロン酸ナノパーティクルの(B-HA-NP)の開発を行った。新規合成したB-HA-NPのホウ素濃度は用いるヒアルロン酸の分子量に依存しており、最大8,050 ppmのホウ素を含有した製剤の調製に成功した。B-HA-NPは37℃血清中においても36 hで95%以上のホウ素の保持効率であり高い安定性を有しており、ヒト繊維芽細胞に対する毒性は50 ppm以下の濃度では見られなかった。京大原子炉における中性子照射によって、BSH溶液や他のリポソーム製剤と比較して、有意に高い抗腫瘍効果が認められ、さらにエレクトロポレーションによる低電圧の印加により、抗腫瘍効果が大きく増強された。
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