研究課題/領域番号 |
24591857
|
研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
下川 卓志 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, チームリーダー (20608137)
|
キーワード | 放射線科学 |
研究概要 |
平成25年度は蛍光プローブを用いた実験系、特にInCell analyzer 2000(GE)を用いた共培養での放射線影響測定方法の確立と測定を行った。脂質過酸化の変化・細胞死・遺伝子発現の比較を行うとともに、3D培養系での解析の至適化を進めた。さらに放射線影響にタンパク質分解が寄与することを明らかになったため、共培養による影響を評価できる系の検討を行った。 加えてin vitro(癌細胞単独培養)とin vivoにおいて、放射線による抵抗性獲得機構に差があることを明らかにし、細胞間相互作用の影響解析を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に樹立した蛍光タンパク質安定発現細胞株を用いて共培養による放射線影響の解析、また年度途中に導入できたIn Cell analyzer 2000を利用した脂質過酸化・細胞死・遺伝子発現等の比較を進めた。さらに3D培養系での解析および正常細胞と癌細胞の位置情報を含めた解析についても検討を行った。加えて、細胞間相互作用が繰り返し照射による放射線抵抗性獲得に影響することを示唆する結果も得られた。 また、24,25年度に得られた成果の一部を含む内容は、日本癌学会および広島大原医研国際シンポジウム等にて報告した。 以上の理由から、現在までの達成度については、おおむね順調に進展していると評価する。
|
今後の研究の推進方策 |
In Cell analyzer 2000の導入により、計画していた解析内容に加えて共培養中での個々の細胞の解析を進めることが可能となった。そのため解析方法の改良を行い、癌細胞と正常細胞の位置関係を含めた放射線応答反応について詳細な解析を進める予定である。 また今年度は、得られた成果の論文としての公表を進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
下記の理由により計画との差が生じました。・消耗品は昨年度繰越分と試薬が予想より安く購入できたため、予定額を下回った。・仕事の関係で学会への参加日数(滞在日数)が短縮した。(旅費交通費)・今年度予定していた論文が受理に至らなかったため、公表代が使用されなかった。(その他) ・消耗品として、新規導入機器を利用した解析を進めるため追加の試薬購入を行う。・国内および国際学会参加費用および交通費等の値上げ分として使用。・今年度受理されなかった論文の費用を加えて、論文投稿費用及び公表用費用として使用。
|