研究課題
本研究の最終年度では、これまで悪性中皮腫細胞を用いてX線や重粒子線照射24時間後に綱羅的miRNAプロファイリング解析を行った結果、同じ中皮腫細胞でも違うcell lineであれば異なるmiRNAが発現する事が判ってきた。今年度、炭素線照射後高発現されたmiRNAについて細胞増殖、細胞周期、および染色体異常について調べた。MESO-1細胞について、高LET炭素イオン線照射後、miR-144-3pが高発現することが分かった。miR-144-3p mimicを用いてMESO-1細胞にtransfectionして、MTT法とコロニー法にて分析した結果、miR-144-3pは有意に細胞の増殖を抑制することが明らかになった。また2Gy高LET炭素イオン線照射後、高発現されたmiR-144-3pをmiR-144-3p inhibitor transfectionし、miR-144-3pの発現量を低下させたところ、細胞の増殖が有意に増加することが分かった。以上の結果からMESO-1細胞に人工的にmiR-144-3pを高発現させると、MESO-1細胞の増殖が有効に抑制されることが示唆された。またmiR-144-3pについて、これを高発現させたMESO-1細胞でも細胞周期には影響しない、また染色体異常頻度も影響しない事が判った。MESO-4細胞はX線と比べて、高LETの炭素イオン線を照射した方が9種類のmiRNA がアップレギュレートされて、この中で変動の大きいmiRNA miR-718 mimicを用いてMESO-4細胞にtransfectionして、高発現させたmiR-718 はMESO-4細胞の増殖を有意に抑制する事が判った。以上の結果からmiRNAは中皮腫細胞の増殖を抑制する事が明らかになった。miRNAは、中皮腫患者のテーラーメード医療について非常に重要であることが示唆された。
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