研究課題/領域番号 |
24591861
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武田 郁央 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (90420033)
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研究分担者 |
川岸 直樹 東北大学, 大学病院, 准教授 (00333807)
赤松 順寛 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (50302112)
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キーワード | 薬剤性肝障害 |
研究概要 |
昨年に引き続き、東北大学病院において肝移植を受ける予定の患者様より同意を得た後、実際に肝移植が行われた患者様より肝組織、血液、尿サンプルを採取した。学術研究助成基金助成金により購入した核酸・タンパク質自動精製装置を用い、血液サンプルよりリンパ球RNAを精製し冷凍保存した。同様に、肝組織よりDNA、RNAを精製し冷凍保存した。また、血清、尿サンプルも冷凍保存した。 1.肝組織DNAを用いた薬剤代謝遺伝子のSNP(single nucleotide polymorphism)の解析に関しては、肝グラフト及びレシピエント肝より精製したDNAサンプルを用い、RT-PCR法にて薬剤代謝遺伝子(ABCC2、ABCB1、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A5、CYP2C9)のSNPを解析中である。 2.術後経時的なレシピエントのリンパ球における薬剤代謝遺伝子のmRNAの定量解析に関しては、末梢血リンパ球より精製したRNAを用い、薬剤代謝遺伝子のmRNAをリアルタイムRT-PCR法にて解析中である。 3.ビリルビン酸化物質、DAMPsの経時的測定による肝細胞障害の把握に関しては、血清、尿サンプルを冷凍保存し、ELISAによるHMGB1、Cyclophilin Aの測定準備を行った。 また、HPLC法によるビリルビン酸化物質測定のための準備を行った。 4.その他の検討については、肝移植前後の生化学的肝機能検査、免疫抑制剤(FK506またはサイクロスポリン)の血中濃度、プロカルシトニン、βDグルカン、エンドトキシンの測定を行った。また、移植肝、固有肝につき、病理学的な評価を行った。肝組織より精製したRNAサンプルを用い、サイトカインのmRNAを測定中である。また、ELISAによるサイトカイン測定の準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた肝移植が延期、中止などにより行われず、予定していたサンプル数が収集できていない。
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今後の研究の推進方策 |
術前状態の悪化による移植中止例を最小限にする努力を、内科医と協力して継続していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
サンプル収集数が少ないため、試薬やELISAキット、HPLC用のカラムなどの購入を延期したため。 前年度同様に薬剤代謝遺伝子のSNP解析、CNV解析、mRNAの解析を引き続き行う。 HPLC法、ELISA法によるビリルビン酸化物質、DAMPsの解析を追加していく。 ELISA法によるサイトカイン測定を追加していく。
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