研究成果の概要 |
ヒト多血小板血漿(PRP)が消化管吻合部の創傷治癒を促進するメカニズムの解明を行った.ヒトPRPはヒト大腸線維芽細胞に対して細胞増殖促進効果を発揮するが, その効果は高濃度になると鈍化した(所謂“天井効果”). コラーゲン産生は, 共培養上清中コラーゲンの濃度を増加させたが, 個々の線維芽細胞に対する産生能増強ではなく,細胞増殖の強化に起因していることが示唆された. また, ヒトPRPはコラーゲン産生時期を前倒しできず, その産生をほとんど刺激しなかった.ヒト大腸線維芽細胞に対するヒトPRPの主要効果は細胞増殖促進作用にあり, その結果としてコラーゲン産生量を増加させると考えられた.
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