研究課題/領域番号 |
24591866
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 宏之 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (60348266)
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研究分担者 |
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20215966)
大島 まり 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (40242127)
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究医 (70190791)
保科 克行 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90571761)
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キーワード | 大動脈 / ステントグラフト / シミュレーション / 瘤 |
研究概要 |
1症例の画像を基本として、中心線の描出をはじめ、曲率や捩れ率を算出できるモデリングシステムを開発し、その定量化について検討した。 詳細:3次元形状モデリングと計測は、開発中のモデリングシステム(V-Modeler)を用いて行った。V-Modelerは、血管の経時変化を定量化するためのGUIを有したモデリングシステムである。CT,MR画像の読み込み、可視化、領域分割、中心線導出、表面の再構成、計測、の機能を有している。経時変化の基準位置を腹部大動脈と左腎動脈の分岐位置に定めた。この位置から腸骨動脈分岐までの中心線を取得することがモデリングの目的である。領域分割処理は、Region Growing法を用いた。領域分割処理の対象領域は、血管内腔およびステントグラフト内腔である。腎動脈分岐部はステントに覆われているので、この近辺においてはステントグラフトを含めて領域分割処理を行った。領域分割処理結果に対して細線化処理、ひげ除去処理を行った。長さ・曲率・捩れ率を計測するために、選択された中心線上の点をSpline Fitting法によって、Spline関数曲線へ変換を行った。Spline Fitting法におけるコントロール点間隔は、30mmに設定し、Spline関数の基底は3次関数とした。 形状の定量化は、CT画像のresampling 、segmentation、CLの抽出、長さ・曲率(curvature)・捩れ率(torsion)などの算出、の順に行った。これによって、ステントグラフトの留置後の形状変化が視覚化、数値化ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
月に約1回のペースで大動脈瘤シミュレーション研究会という形で医学部、工学部のカンファが行われ、活発な意見の交換のもと確実に進捗がみられているため。
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今後の研究の推進方策 |
より臨床的な利用を目指している。より多くの症例の画像に、本研究でのモデルを当てはめ、現実に即した利用可能なものであるかの検証を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
現時点ではモデリングシステム構築が中心であり、実際の臨床症例への応用が進んでいないため、個人データの取り扱いに関するCDやファイルなどの物品類の購入が、次年度にのびたことが主な原因である。 本年度より本格的に臨床症例への応用が始まり、各症例のデータ処理にファイルなどの物品類が多くかかってくる予定である。また、これまでの業績を発表する機会も増え、旅費などに使用される予定である。
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