研究課題/領域番号 |
24591868
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
工藤 篤 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20376734)
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研究分担者 |
田中 真二 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30253420)
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キーワード | 肝動脈 / 肝移植 / 脂肪肝 / 類洞 / 生体内異物解毒 |
研究概要 |
冷保存虚血再灌流障害におけるMacrovesicular 脂肪肝グラフトにおける生体内異物解毒機 構は未知であり、本研究の目的はMacrovesicular 脂肪肝の虚血再還流障害に対する脆弱性の病態生理を明らかにし、その対策を確立することである。これまで、sinusoidal perfusion rate とfunctional sinusoidal density といった古典的方法に代わるあたらしい微小循環評価方法を確立するべく、Floenizer2Dという流体力学解析ソフトを応用することで、High speed videomicroscopyを用いた全赤血球のスピードがわかるようになった。虚血再還流障害に伴うheterogenityは報告されてきたが、それが何故起こるのかは明らかではなかった。本研究はこのHeterogenityの病態生理解明に光明を見いだしたと考える。現在、類洞の入り口(門脈)から出口までの動脈クランプに伴う血流変化を全長に渡って評価する方法を模索している。低倍率で類洞全長の血流動態は観察できるがFloenizer 2Dで解析する解像度は得られない。高倍率で様々な条件を試みている。また、クランプ時間を変えて、類洞障害、あるいは類洞のheterogenityに関与する各種条件の設定を行っている。すでにコリン欠乏性脂肪肝のMrp2機能が落ちていること、正常肝の8時間冷保存で生体内異物解毒機能が落ちていることを証明している。今後、脂肪肝の温疎血による脆弱性を追求して行く。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝動脈が類洞に流入する血流パターンは4通りであり、すなわち、グリソン内細胆管周囲の栄養血管、最終門脈枝、限界版、類洞に直接流入である。類洞の血流評価の技術革新により、高倍率における赤血球のVerosityは確立したが、類洞全長の変化を捉える技術が確立できていない。肝小葉全体が血液を拍出する運動の中におけるheterogenityの意義を調査中である。 肝機能、肝障害との関係性は資料蓄積中で、概ね順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
1.正常肝臓において肝小葉全体におけるheterogenityの解明。肝動脈クランプ時間と再疎通類洞が及ぼす肝機能、肝実質障害を明らかにする。前年度に引き続き、血液検体の採取、胆汁標本の採取を蓄積し、今年度ですべてまとめて解析する。 2.脂肪肝において肝動脈クランプ時間と再疎通類洞に関与する因子の統計解析を行う。 3.動脈クランプ解除後に発生するHeterogenityの病態生理解明、解決する手段の検索を行う
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度にかかる費用を考えて、人件費、旅費、物品費を使用した。蓄積した資料の解析をすべて最終年度に行うことになったため、使用計画が変わった。 蓄積した検体の解析をまとめて行う
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