• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

分子免疫病理学的アプローチによるNotch経路解析ー炎症性血管疾患治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24591872
研究種目

基盤研究(C)

研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

小林 昌義  藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (60329381)

研究分担者 成田 裕司  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00528739)
山本 清人  名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
古森 公浩  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40225587)
坂野 比呂志  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80584721)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードバージャー病 / 炎症性血管疾患 / Notchシグナル / 閉塞性動脈硬化症
研究概要

平成24年度は研究機関が変わり、新たに研究環境を整備する必要に迫られ、今年度に予定していた研究が充分に遂行できず、安定した免疫組織化学的染色を施した病理標本を作製することが難しい状況であった。十分な標本採取、作成、保管をするべく研究室の確保、整理より始まり、ようやく病理組織化学的、免疫組織化学的染色を施行可能な環境が整いつつある。
しかしながら本研究における対象疾患である炎症性血管疾患の代表であるバージャー病の患者は減少して来ており、新たな検体を新しい研究機関で発掘することは容易な作業ではなかったが以前所属していた研究機関および関連施設の協力を得てバージャ病の病理検体の収集、ホルマリン固定、paraffin-embedded切片の作成に取りかかることができた。また対照疾患である末梢動脈病変(その原因疾患が動脈硬化である閉塞性動脈硬化症)の病理検体を採取については現在の研究機関でも遂行可能であり、以前の研究機関の協力も相まって、検体収集、ホルマリン固定、paraffin-embedded切片の作成を行う予定である。また、情報収集のため出席した学会において、最近のバージャー病発症原因の一つの考え方として口腔内細菌の関連を示唆する発表があったが、その関連性すなわち歯周病菌に対する抗原抗体反応が動脈炎症を引き起こし、さらには動脈内腔を狭小化もしくは閉塞させる機序を、NotchシグナルのリガンドであるDelta-1、Delta-4、Jagged-1の発現とリンクさせてその免疫機序を解析していくという考えに至ることができた。この仮説が証明されれば、内膜もしくは中膜での炎症性増殖病変の存在するバージャー病に対する直接的な治療法につながるのではないか考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度は研究機関が変わり、新たに研究環境を整備する必要に迫られ、今年度に予定していた研究が充分に遂行できず、安定した免疫組織化学的染色を施した病理標本を作製することが難しい状況であった。十分な標本採取、作成、保管をするべく研究室の確保、整理より始まり、ようやく病理組織化学的、免疫組織化学的染色を施行可能な環境が整いつつある。本研究の対象疾患であるバージャー病はその患者数が減少している疾患であるため、新しい機関では検体を収集することが不可能であったため、前研究機関およびその関連施設の協力の下に、検体、標本を収集しているところである。またバージャー病の対照疾患である閉塞性動脈硬化症については現研究機関においてその標本を採取しホルマリン固定をし保管しparaffin-embededd切片の作成を開始しているところである。

今後の研究の推進方策

本年度は安定したバージャー病および対象疾患である閉塞性動脈硬化症の病理標本作製が安定した後にそれらの標本を使用し、炎症性浸潤細胞を観察、評価することを第一の目的とし、一次抗体をCD1a、CD15、CD35、CD3,
CD4、CD8、CD68、HLA-DR、Factor VIII、CD54、CD62、CD34、CD57、IgG、IgA、IgM、C3d、C4cを用い、細胞性免疫、液性免疫の両観点から免疫反応を評価する。ついで閉塞性動脈硬化症におけるNotchシグナル活性につき一次抗体としてNotch1、3受容体を用い免疫染色し、さらにはその活性化状態を評価するためそのリガンド、転写因子の発現を画像取り込み、解析用PCを用いて観察する。

次年度の研究費の使用計画

研究環境が整備されたところで平成24年度に予定していた病理組織学的、免疫組織化学的染色を遂行する.そのためには上記に挙げた一次抗体の購入および染色に必要な二次抗体などを前年繰越金にて購入する。得られた標本の画像解析に必要なPCおよび画像解析ソフトは平成25年度に割り当てられた物品費で購入予定である。また、炎症性血管疾患に対する最新の病理学的知見、治療などを得るため、もしくは中途で得られた成果を発表するために学会等に参加するための費用を旅費を使用する予定である。成果が予定通り得られ、時間的に余裕があればバージャー病と歯周病との関わりについてNotchシグナル活性の観点から評価を免疫組織化学的手法を用いて評価したいと考えている。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] A Case of Infective Abdominal Aortic Aneurysm due to Haemophilus influenzae Type B2012

    • 著者名/発表者名
      Toshimitsu Sato, Masayoshi Kobayashi
    • 雑誌名

      Int J Angiol

      巻: 21 ページ: 147-150

    • DOI

      10.1055/s-0032-1315627

  • [雑誌論文] 慢性腎不全を合併した膝下病変を伴う閉塞性動脈硬化症に対して炭酸ガス造影を用いた血管内治療が有用であった1例2012

    • 著者名/発表者名
      中島正彌、小林英昭、小林昌義
    • 雑誌名

      日血外会誌

      巻: 21 ページ: 25-28

  • [雑誌論文] Late type III endoleak from fabric tears of zenith stent graft: report of a case2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Banno, Hirofumi Morimae, Tsutomu Ihara, Masayoshi Kobayashi, Kiyohito Yamamoto, Kimihiro Komori
    • 雑誌名

      Surg Today

      巻: 42 ページ: 1206-1209

    • DOI

      10.1007/s00595-012-0320-8

  • [学会発表] 陰圧吸引療法の実際 難治性潰瘍/し開創に対する持続陰圧療法の治療経験ー自作システムから企業製システムまで2012

    • 著者名/発表者名
      小林昌義、野田美香、櫻井祐輔、天野健太郎、樋口義郎、近藤弘史、秋田淳年、石田理子、金子完、石川寛、佐藤俊充、高木靖、渡邊孝、安藤太三、中島正彌
    • 学会等名
      第42回日本創傷治癒学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20121202-20121204
  • [学会発表] Intra-anuerysm sac pressue mesurements in patients with aneurysm expansion after endovascular aneurysm repair2012

    • 著者名/発表者名
      Kan Kaneko, Tatsuo Banno, Motomi Ando, Hiroshi Kondo, Masayoshi Koabayshi, Yasushi Takagi
    • 学会等名
      VACULAR 2012 CONFERENCE
    • 発表場所
      Australia, Melbourne
    • 年月日
      20121020-20121023
  • [学会発表] 深部静脈血栓症における新しい抗凝固製剤ーフォンダパリヌクスの治療経験2012

    • 著者名/発表者名
      小林昌義、櫻井祐輔、天野健太郎、樋口義郎、近藤弘史、秋田淳年、石田理子、金子完、石川寛、佐藤俊充、高木靖、渡邊孝、安藤太三
    • 学会等名
      第53回日本脈管学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121011-20121013
  • [学会発表] ASOにおけるplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)と血管壁構造との関わり2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤俊充、小林昌義、野田美香、天野健太郎、櫻井祐輔、樋口義郎、近藤弘史、秋田淳年、石田理子、金子完、石川寛、高木靖、渡邊孝、安藤太三
    • 学会等名
      日本脈管学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121011-20121013
  • [学会発表] Distal bypassにおける術式の工夫2012

    • 著者名/発表者名
      小林昌義、宮地紘樹、前川卓史、玉井宏明、高橋範子、渡辺芳雄。森前博文、藤田広峰、井原努、児玉章朗、坂野比呂志、成田裕司、山本清人、古森公浩
    • 学会等名
      第40回日本血管外科学会
    • 発表場所
      長野
    • 年月日
      20120523-20120525
  • [学会発表] 当科における人工血管グラフト感染に対する診断、治療、予後について2012

    • 著者名/発表者名
      小林昌義、宮地紘樹、森崎浩一、玉井宏明、前川卓、高橋範子、渡辺芳雄、森前博文、井原努、児玉昭朗、坂野比呂師、成田裕司、山本清人、古森公浩
    • 学会等名
      第112回日本外科学会総会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20120412-20120414
  • [図書] 女性を診る際に役立つ知識2012

    • 著者名/発表者名
      小林昌義
    • 総ページ数
      263
    • 出版者
      新興医学出版社

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi