研究課題
B型肝炎では、移植後の再発予防として核酸アナログの投与とB型免疫グロブリン(HBIG)の投与による再発予防は確立されているが、escape mutantやコストの問題が生じている。そこで最近このコスト問題の解決策としてワクチン療法の導入が話題となっている。当科でもこれまで10例にワクチン導入を行い,能動免疫獲得に伴うHBIGからの脱却ができた4例と,獲得までは至らなくても3例にコストの削減ができた。HBIGから脱却出来た3例のリンパ球についてB型ワクチンに対する反応を調べた結果,カルシニューリン・インヒビター(CNI)による免疫抑制下にも関わらず3例ともpositive controlと同等にcell proliferationを認め報告してきた。これに、症例数が増え、全体で9例に対して、B型ワクチンに対する細胞数の増加とTh1サイトカインの反応を確認し、第13回アジア移植学会(CAST2013)で発表した。一方C型関連肝移植患者に対する検討では、当科で行ったC型肝硬変および肝癌患者のgenotype, ウィルス量、コア領域やNS5A領域のアミノ酸変異およびIL28遺伝子多型についてレトロスペクテブに検討し、SVRとの関係を明らかにして国内学会で発表した。
3: やや遅れている
肝移植症例が近年少なくなってきており、この原因として、肝炎ウィルス症例がIFN治療やテラプレビルやシメプレビルなどのC型肝炎治療の効果によって移植まで必要となる症例が減ってきています。
B型肝炎に関しては、ワクチン導入がほぼ確立されており、これに、ATP活性を組み合わせて至適免疫抑制状態を確認して、ワクチンによる能動免疫獲得患者を増やしていく。C型肝炎に関しては、これまでで行ってきたレトロスペクティブな検討から、プロスペクティブな検討として、今後当科で行うC型肝硬変および肝癌患者にたいする生体肝移植患者様を対象として、術前にgenotype, ウィルス量、コア領域やNS5A領域のアミノ酸変異について測定。また、リンパ球よりIL28遺伝子多型を解析。術前PEG-IFN/RBV療法開始群、術直後よりPEG-IFN/RBV療法を始めるPreemptive群、通常の組織学的確認後にPEG-IFN/RBV療法を行う群、SVRが望めない群で高齢者に対しては、少量長期にPEG-IFN/RBV療法を行うテーラーメード治療を確立する。
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http://www.medic.mie-u.ac.jp/hbpt/HBP_and_Transplant_Surgery/Home.html