研究課題/領域番号 |
24591885
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
清水 裕史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70553709)
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研究分担者 |
齋藤 敬弘 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00566812)
山下 方俊 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20381387)
石井 証 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40468129)
伊勢 一哉 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90363746)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 1型糖尿病 / 膵島移植 / 細胞シート / 血管新生 / 膵島再生 |
研究実績の概要 |
【目的】我々は、1型糖尿病に対する膵島移植研究において、組織工学の応用により膵島細胞シートを発明した。これまで、ラット膵島細胞シートにおける免疫不全糖尿病マウスでの治療効果が証明されている。今後のヒトへの応用を視野に入れ、ブタ膵島を用いた膵島細胞シートの構築を行うと共に、移植後の血流再分布および膵島機能向上を目指し、血管内皮細胞および膵管上皮細胞を膵島細胞シートと積層化した複合型新生膵島組織の作成を目的とした。 【方法】実験1:温度応答性培養皿上で培養したブタ膵島細胞を、低温処理によりシート状に回収する。次に糖尿病化マウスへ皮下移植し血糖制御を評価する。実験2:ラット血管内皮細胞を温度応答性培養皿上に播種し、更にラット膵島細胞を播種する。培養2日後に積層化した両細胞をシート状に回収する。実験3:膵島細胞-血管内皮細胞の積層化シートを糖尿病マウスへ移植し、糖尿病治療効果を評価する。実験4:ラット膵管上皮細胞を分離培養し、膵管上皮細胞シートを作成する。 【結果】ブタ膵島を用いた膵島細胞シートの作成および糖尿病マウスへ皮下移植に成功した。移植手技は容易であった。移植後の血糖制御は得られなかった。ラット血管内皮細胞シートはラット膵島細胞と積層化可能であり、積層化シートとして回収でき、容易に皮下移植し得た。移植後、同部位は血腫を形成しグラフトの生着は得られず、糖尿病治療効果が得られなかった。ラット膵管上皮細胞を膵臓から分離することは困難であった。 【考察】ブタ膵島の内分泌機能が不良であり、糖尿病マウスの血糖制御は得られなかったと考えられる。血管内皮細胞シートは培養・回収が容易で、膵島細胞を支える足場としての役割を果たせると期待されたが、血腫形成に関しては血管内皮細胞の比率が関与していると考えられた。膵管上皮細胞の分離培養は困難であり、より簡便に分離培養出来る支持細胞を選定する必要がある。
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