研究課題/領域番号 |
24591892
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
辻本 広紀 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (80554998)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (10449069)
小野 聡 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 准教授 (30531355)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 防衛医学研究センター, 助教 (30531636)
長谷 和生 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 教授 (50511268)
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (70531391)
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キーワード | 光線力学療法 / 胃癌 / 腹膜播種 / ナノ粒子 / 見張りリンパ節 / 国際情報交換 |
研究概要 |
悪性腫瘍組織は、正常組織に比べて血管壁の透過性が亢進しており、数十から数百nmの小孔を有し、リンパ系の構築が未発達であるために、高分子物質が集積し滞留しやすくなる(EPR効果)。我々は高分子ミセル化ICG (ICGm)を開発し、EPR効果を利用した転移診断法と光線力学療法の治療効果を検討した。 今年度はマウスおよびラット腹膜播種モデルを確立した。 マウスの実験では、ヌードマウスを用いて、胃癌細胞(MKN45)を100000細胞/5mlを腹腔内投与することで、胃癌腹膜播種モデルの作成が可能であった。これらにICGミセルを静脈注射した際には、800nmの励起により、腹膜播種にICGミセルが特異的に集積していることを示した。またこのモデルに経皮的に800nmのレーザーを用いた光力学療法を施行すると、播種組織が有意に縮小し、予後延長を認めた。したがって実験的に胃癌腹膜播種に対するICGミセルを用いた光線力学療法が有用であることを証明した。現在、これらの実験結果をまとめて、論文投稿中である。 またラット腹膜播種モデルでは、ヌードラットを用いることで、マウス投与量の約10倍の腫瘍細胞を腹腔内に投与した際に6-8週後には腹膜播種が出現することを証明した。現在はこれらの細胞の縮小効果をルシフェラーゼ活性で評価すべく、ルシフェラーゼ活性を有するMKN45を用いて同様の実験を計画している。またラットでは3mm径の腹腔鏡を使用することで、腹腔内の観察が可能であり、これらのシステムを利用してラット腹膜播種モデルに対して腹腔鏡からの光線力学療法を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はマウスおよびラット腹膜播種モデルを確立した。 マウスの実験ではICGミセルを用いた光力学療法によって予後延長を認め、実験的にその有用性を証明し、現在論文作成中である。マウスを用いた実験は今年度で終了し、次年度には、ラット腹膜播種モデルを用いて腹腔鏡を使用した光力学療法の効果を確認する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ラット腹膜播種モデルを用いて腹腔鏡を使用した光力学療法の効果を確認する予定であり、その方法論が確立した場合には、臨床研究を視野に入れた研究を行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
新規ラット実験に関して、基礎実験を行っていたことから、予算を削減して実験を行った。次年度以降はこれらを使用し、実験計画をたてたい ヌードラット購入に充当し、論文作成、英文校正等に使用する予定
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