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2013 年度 実施状況報告書

乳癌治療における間質反応とエネルギー代謝に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24591900
研究機関杏林大学

研究代表者

上野 貴之  杏林大学, 医学部, 講師 (40452362)

研究分担者 杉江 知治  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335264)
キーワード乳がん / 細胞死 / エネルギー代謝 / 間質 / 化学内分泌療法 / 抗HER2療法
研究概要

乳がんにおける術前療法の効果改善を目的に、治療反応性、治療抵抗性に関与するマーカーの確立をめざし、術前療法前後の乳がん組織を用いて、細胞死の態様、細胞増殖能の変化、がん細胞・間質のエネルギー代謝の変化について検討した。術前療法として、術前内分泌療法、術前化学内分泌療法、術前抗HER2療法を含め、データの信頼性を高めるため、それぞれの臨床試験の検体を用いて解析を行った。術前内分泌療法前後の検体(71症例)による検討で、内分泌療法ががん細胞と間質細胞のオートファジーを誘導し、一方でアポトーシスを低下させること、間質のオートファジー関連蛋白の発現が治療効果やがん細胞の増殖能に関連することを見出し、2013年度アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)にて発表した。この結果につき、現在論文にまとめ投稿中である。また、術前化学内分泌療法の検体を用いた検討として、オートファジー関連蛋白であるbeclin 1, LC III、アポトーシス関連マーカーであるM30, TUNELの染色を終了し、解析を行った。また増殖能の指標としてKi67の解析を行った。それぞれ、治療効果や臨床病理学的因子との関連につき解析したところ、内分泌療法とは異なる反応を示すことが示唆され、現在その違いの臨床病理学的意義と、その違いを利用した治療法の個別化の可能性につき検討を進めている。術前抗HER2療法についても臨床試験が終了し、現在治療前後の検体の収集が終了した。現在、それらの組織の免疫組織化学染色、遺伝子発現解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床試験は予定通り終了し、組織の回収も予定通り進んだ。アメリカ腫瘍学会(ASCO)にて学会発表を行い、論文作成し現在投稿中である。次の臨床試験の検討においても、免疫染色については順調に進んでおり、解析を行っている段階である。

今後の研究の推進方策

免疫組織染色の評価において、より客観性をもたせるために、複数人での評価や、コンピューターソフトを用いた解析を予定している。現在、病理部との共同研究体制も確立し、データの正確性を高めるとともに、客観性、再現性のあるデータの確立を図っている。

次年度の研究費の使用計画

年度の途中で研究機関の異動があり、新しい研究機関において研究の準備期間があったため、物品(抗体など)の購入等が予定より少なくなったため。
すでに、研究室、研究装置の整備が完了し、新研究機関での病理学教室との共同研究体制など、システムが構築できた。回収された組織の免疫染色や発現解析、コンピューターソフトによる客観的定量化を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 細胞増殖と細胞死の評価2014

    • 著者名/発表者名
      上野貴之
    • 雑誌名

      Pharma Medica

      巻: 32 ページ: 19-23

  • [学会発表] Relationship of tumor and stromal autophagy and endocrine responsiveness in breast cancer tissues.2013

    • 著者名/発表者名
      TAKAYUKI UENO
    • 学会等名
      American Society of Clinical Oncology
    • 発表場所
      Chicago, USA
    • 年月日
      20130531-20130604

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公開日: 2015-05-28  

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