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2013 年度 実施状況報告書

細胞接着阻害因子を標的として新規癌治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591902
研究機関大阪大学

研究代表者

谷山 義明  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (60372611)

研究分担者 森下 竜一  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (40291439)
キーワード乳癌 / 転移 / 癌幹細胞
研究概要

ペリオスチンの乳癌への転移に関して他のラボより、臨床の乳癌サンプルより乳癌幹細胞を抽出したところ乳癌幹細胞にペリオスチンが強発現いること、1000人以上の乳癌症例の解析にてリンパ節転移症例でペリオスチンは発現が強く、トリプルネガティブ乳癌でペリオスチンの発現が極めて高いことが報告されている。そこで、我々が典型的なトリプルネガティブ・ヒト乳癌細胞であるMDA-MB231細胞を重症免疫不全マウスに移植するモデルを構築した。その系で我々が独自に開発したペリオスチン中和抗体を投与したところ、乳腺部の原発層は有意に増殖能が抑制され、肺転移は著明に抑制することを確認した。また、マウス体重においても有意に体重減少を抑制することが可能であった。
一方、Nature誌によって、ペリオスチンがマウス乳癌幹細胞のニッチで強発現されておりペリオスチンKOマウスを用いてペリオスチンを抑制するとマウス乳癌肺転移が著明に抑制されることが報告され、ペリオスチン中和抗体が同じマウス乳癌幹細胞の転移を抑制することを確認していたが、その機序としてWnt3aとペリオスチンが結合し幹細胞の未分化能を維持させているとされていた。我々はビアコアを用いて各種蛋白質とペリオスチンの結合を網羅的に解析しているがWnt3aとペリオスチンの結合が我々の中和抗体で阻害可能であることを確認した。これによって、我々のもつペリオスチン中和抗体がペリオスチンのWnt3aに対する作用を阻害していることが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

乳癌幹細胞へのペリオスチンの影響および、その阻害作用の解析を現在の研究の方向にしており、ペリオスチン中和抗体の作用機序が癌幹細胞の未分可能の抑制をWnt3aの抑制を介しておこなっていることが明らかとなったことは意義深いと考えている。ペリオスチンのKO細胞は技術的問題のため現在成功しておらず改変を重ねている。また、特許作成のため学会、論文などはあえて控えております。ご了承ください。

今後の研究の推進方策

癌のペリオスチンKO細胞が完成すれば、すでにペリオスチンKOマウスは作成済みであるのでそれを組み合わせて乳癌の転移への影響をクリアーに評価することが可能となる。さらには、各種バリアントのレンチウイルスベクターが構築できれば各々の機能を評価することが可能となる。

次年度の研究費の使用計画

レンチウイルスを用いた実験を考えていたが、なんらかの問題が生じてペリオスチン遺伝子の導入ができなかった。そのため、方針を変更してペリオスチンによる癌幹細胞の転移の機序の解明にしたため。
MDA-MB231細胞より癌幹細胞をFACSにて取り出し、スフェアーを作成してペリオスチン抗体の癌幹細胞への影響を解析する予定。Wnt3a以外の蛋白質との相互作用も解析していく予定。

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公開日: 2015-05-28  

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