研究実績の概要 |
前年度までに我々の解析で明らかになったmiR-19aの新規標的遺伝子4種(FOXP1, TP53INP1, TNFAIP3, TUSC2)について、cDNA発現ベクターを作成し、miR-19a高発現肺癌細胞と低発現肺癌細胞株に遺伝子導入し安定発現株を作製した。樹立したそれぞれの株を用いて、増殖能、遊走能、浸潤能について確認したところ、4遺伝子とも肺癌細胞の増殖、遊走の抑制を示した。浸潤については、TNFAIP3, TUSC2は浸潤抑制能を示したが、FOXP1, TP53INP1は細胞により異なる結果を示した。以上の結果をまとめると、我々が同定したmiR-19aの新規標的遺伝子であるFOXP1、TP53INP1、TNFAIP3、TUSC2は、癌細胞において遺伝子ごとに浸潤抑制能に違いはあるものの、4遺伝子とも増殖抑制能と遊走抑制能を示した。よって、miR-19aが異常な高発現をすることにより、 FOXP1、TP53INP1、TNFAIP3、TUSC2の蛋白発現が抑制され、癌の悪性化が進行すると考えられた。本研究のデータに関しては、論文作成と投稿を行ない、PLOS ONEに出版された。
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