研究概要 |
研究成果1. 当該年度,乳癌術後のライフスタイルに関する横断研究を実施し,平成24年乳癌学会に報告した. 【背景】乳がん初期治療後のライフスタイルや肥満は乳がんの予後に影響することが示唆されているが,本邦での実態調査は少ない.【方法】岡山・香川の4医療施設において,乳がん初期治療後の患者を対象に乳がん診断前後でのライフスタイルに関する横断調査を実施した.【結果】対象は470例,平均年齢59.3歳,初期治療から調査日までの中央値は2.5年.喫煙率は診断前12.8%,診断後3.6%と有意な低下を認めた.飲酒率は診断前48.3%,診断後は34%と有意な低下ならびに,アルコール摂取量の有意な減少を認めた(p=0.0015).食品内容では,肉類・卵類・洋菓子類・インスタント食品摂取量の有意な減少を認めた.一方,大豆類,緑黄色野菜,キノコ類の摂取量は有意に増加していた.余暇に運動を行う率は診断前が43.6%, 診断後が57%と増加していたが,週当たりのMETs平均値は診断前後で差がなかった.診断前後での職場における身体活動性は,診断後に有意に低下していた.BMI平均値は診断目22.7, 診断後22.5と診断前後で差はなかった.【結語】乳がん初期治療後のライフスタイルの変容は,主に食品内容に認められ,身体活動性は職場環境の変容から一般に低下する傾向にあることが推察された. 研究成果2. 縦断研究の開始 乳癌初期治療後のライフスタイルと予後に関するコホート研究を平成25年2月より開始した.
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