研究課題/領域番号 |
24591910
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岩瀬 弘敬 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (40211065)
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研究分担者 |
山本 豊 熊本大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20398217)
指宿 睦子 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (30448526)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 多遺伝子発現 / 乳がん / 予後予測 / 効果予測 |
研究概要 |
約150例の連続したLuminal型乳癌症例のホルマリン固定パラフィン包埋石切片から抽出したRNAを材料として、35遺伝子に絞った候補遺伝子の発現量を指標とし、無病生存率、乳癌特異生存率の比例ハザードを計算しFFPE scoreを求めた。さらに、閉経状況、腫瘍径、リンパ節転移度、組織学的悪性度からなる臨床的評価(clinical score)およびER、PgR、HER2、Ki67よりなる免疫組織学的評価 (IHC score)を加えて、総合的な予後因子としての評価(Ku-integrated score)を計算した。現時点では乳癌に一番頻度の多いLuiminal型乳癌において、6つの遺伝子(MET,CCNB1, ERBB3, VEGF, BRIC5, HDAC6)の定量的発現を評価することが最良と考えられる。 今後は症例の蓄積、および他施設との共同研究により、varidation研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現時点で、Ku-Integrated scoreの算出方法はほぼ確定した。すなわち、clinical score、IHC score、FFPE scoreから得られるKu-integrate scoreの正当性の検証を行う予定である。したがって、当施設での追加症例の解析、他施設との共同研究を進めていく。また、Ku-integrated scoreを前向きに検討し、この因子で治療を決定した症例の予後がこれまでの方法で決定した群との前向きの試験を行う予定である。 この方法は凍結切片(FF)でなく、ホルマリン固定パラフィン包埋切片(FFPE)からも解析でき、他施設の蓄積された症例での検討が可能であり、予後因子、効果予測因子として活用できる見込みが高い。
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今後の研究の推進方策 |
今回検証した症例は2004年から2009年までの症例であり、直近の過去3年間、および1998年から2003年までの期間における、Ku-integrated scoreの検討を行う予定である。これにより、術後晩期再発の予後決定因子あるいは術後早期再発の因子が解析される可能性がある。さらに、他施設から症例を蓄積し、varidation解析をおこなうつもりである。 現在、熊本市民病院、熊本赤十字病院、名古屋市立大学、北海道大学などと共同研究の申請中である。
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次年度の研究費の使用計画 |
症例の蓄積のため、FFPEからRNAの抽出、免疫組織化学法によるER、PgR、GER2、Ki-67の評価、臨床情報の抽出について研究を進めていく。他施設からの症例蓄積については打ち合わせ、資料のやり取りなどによりvaridation解析を行う。 FFPEからのRNA抽出、免疫組織化学的検討、6つの遺伝子(MET,CCNB1, ERBB3, VEGF, BRIC5, HDAC6)の定量的発現などに経費が必要となる見込みである。
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