研究課題/領域番号 |
24591910
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岩瀬 弘敬 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (40211065)
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研究分担者 |
山本 豊 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (20398217)
指宿 睦子 熊本大学, その他の研究科, 助教 (30448526)
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キーワード | 多遺伝子発現 / 乳癌 / 予後予測 / 効果予測 |
研究概要 |
乳癌の約70%はER陽性の内分泌療法反応性の高いLuminal-like型である。この群では、的確な効果予測因子を用いて化学療法の追加を決定しなければならない。OncorypeDxやMammaPrintでは欧米のデータをもとに作成された解析法であり、また保険未収載であるため、わが国での実用は困難である。一方、Ki-67陽性率によるその分別は再現性や信頼性に乏しい。 そこで、本研究では、内分泌依存性増殖、HER2、転移/浸潤に関する遺伝子, microRNAなど約30因子を選出し、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)の乳癌切片から抽出されたRNAをテンプレートとして、定量的real time RT-PCRにより各因子を連続値として評価し、重要度解析から予後予測さらに内分泌療法効果予測ツールを作成するものである。これまで、各因子の整合性を確かめ、いくつかの因子の組み合わせによる予後解析ツールとして、varidation研究を進めている。 今回の研究ではKu-23と名付けた多遺伝子発現定量化予後予測ツールを当科のテストセットで作成したが、そのための各因子(ER,PgR,HER2,Ki-67等)のRT-PCRによる定量性を確認した。また、これまで解析したIGFR-1、EGFR等についてもそれぞれの因子のもつ臨床病理学的因子を検討した。これらを総合した結果を現在、他施設と共同で認証試験を行っている。今後はこれらの更なる臨床応用を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自施設での検討は各遺伝子発現についての詳細な検討が行われており、免疫染色とmRNA発現、遺伝子増幅などの検討が進んでいる。一方、多施設との共同研究では依然として症例蓄積の段階である。しかしながら、現在はweb上の遺伝子発現ライブラリーを用いてvaridation assayを行いえることができるため、進む方向を若干変えている。
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今後の研究の推進方策 |
症例の蓄積は続けて行うが、それだけでなくweb上に公開されているさまざまなデータファイルを用いて、我々が示している、多遺伝子発現効果予測ツールの有用性を確かめるつもりである。 また、各々の因子についての生物学的重要性についても様々な治療反応性を検討して行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫染色用抗体を購入予定であったが、症例の蓄積が遅れたため、最終年度に用いることとした。 平成26年度に抗体購入予定。
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