研究課題
本研究は、食道癌においてmiRNAとmTORの制御機能を解明し、miRNAを用いたがんに対する治療について研究する。具体的な研究項目は、①mTORを標的とするmiRNA発現の解析、②miRNAとmTORの相互的な制御機能の解析、③miRNAを標的とした治療に対する検討、の3つである。【食道癌におけるmicroRNA発現の解析Total RNA抽出と網羅的解析】術前治療を行っていない食道癌手術切除症例約100症例のtotal RNAを抽出した。miRNAの候補検索には、miRNAを登録管理しているSanger Instituteから発信されている最新versionを参考にしたmiRNA microarray(3D-Gene Human miRNA kit、TORAY)を用い、ヒト臨床検体にて10例程度でのmiRNAの発現の差異を解析し、発現量に差があるmiRNAを網羅的に同定した。pick upしたmicroRNAについて残りの90例で定量的RT-PCR法を用いてvalidationを行い、いくつかのmiRNAに関しては妥当性を検討した。【mTORを標的とするmicroRNAとの相互的な発現制御機能の解明】上記にて同定されたmiRNAに対してmTORを標的とするか検証を行う、miRanda、TargetScanなどのコンピューターデータベースを用いて検索し、細胞株による実験を行っている。in vitroでの癌細胞浸潤能、増殖能、細胞サイクル、アポトーシス抑制能などとの関係を評価し、Pre-miRなどを導入することでその変化を確認している現状である。
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Int J Cancer
巻: 135(11) ページ: 2528-36
10.1002/ijc.28672