研究課題/領域番号 |
24591921
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
藤井 公人 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00524331)
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研究分担者 |
中野 正吾 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20351108)
福富 隆志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30165302)
吉田 美和 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30556098)
高阪 絢子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50440748)
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キーワード | SHAP-HA複合体 / ストレス / 細胞間質 |
研究概要 |
乳癌組織間質に存在するSHAP-HA複合体の,微小環境形成に対する役割を解明する.乳癌組織周囲には,HAおよびCD44によって形成された微小環境が見られるが,その裏打ちとしてSHAP-HA複合体が機能していると思われる.本研究においては,癌細胞の酸化ストレスに対抗する機構の要となる細胞内還元型グルタチオンを取り上げた.これらはCD44を介して細胞内に貯留されるものであるが,ヒトの乳癌組織切片での免疫染色で検討した.免疫染色では,細胞内にグルタチオンは明らかに確認できたが,その間質には発現を認めなかった. 上記より,細胞内ではなく間質に存在するタンパクを標的とすべきと再考案するが,現在まではヒアルロン酸に関するものが中心である.本年度においては,これらタンパクの同定を中心に行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度のグルタチオンの発現確認は,細胞内における抗ストレス機構として重要と評価できた.しかし,SHAP-HA複合体は間質に存在するため,細胞内だけに存在するグルタチオンとの相互関係は免疫染色では解明困難であった.
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今後の研究の推進方策 |
癌細胞の抗ストレス反応構築おける細胞間質の役割をさらに追及することが必須である.これまでのグルタチオン系の反応と間質との相互作用の評価が重要と考え,2者の細胞外での働きを解明したい.ストレス下での血中グルタチオン濃度の変化の報告は散見されるが,その間質での存在を局所にて確認はされていないので,FISH法等にて合成タンパクを確認する.その場合,腫瘍中心部と辺縁においては発現の差が存在する可能性があるので,その検討も行いたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額として1603円が計上されたが,使用薬剤の購入費が若干さがったためである. 論文作成等の経費に計上する.
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