研究課題/領域番号 |
24591922
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
吉田 美和 昭和大学, 医学部, 講師 (30556098)
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研究分担者 |
中野 正吾 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20351108)
藤井 公人 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00524331)
高阪 絢子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50440748)
福富 隆志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30165302)
石口 恒男 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70115525)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
(1)MRI造影病変のRVSガイド下針生検の精度検証:乳癌治療前やハイリスク女性のスクリーニングなどの目的で施行した乳房造影MRIで造影偶発病変を認めた場合で、従来の2nd-look USでその病変を同定できなかった場合に、MRI-RVSを用いて同定およびRVSガイド下針生検を施行し、その精度を検証した。(平成24・25年度で18例施行。平成26年度からは、同内容の多施設共同研究に参加することになり、単一施設のみでの検証は平成24・25年度で終了とした)(2)手術可能乳癌の拡がり診断と至適切除範囲の決定:従来のモダリティで乳房温存手術の適応ありと判断された乳癌患者133例に対して、乳房造影MRIとMRI-RVSによる評価を追加、至適切除範囲を決定し、手術を施行。全133例中55例の患側乳房内に61追加病変を検出し、これらの追加病変の2nd-look USによる検出率が従来のUS(B-mode)では51%であったのに対し、RVSの併用により92%に上昇した。 2nd-look US±針生検の評価に基づき、133例中45例で切除範囲を拡大し、最終的に乳房温存手術を施行した110乳房における浸潤成分の不完全切除は3例(3%)のみであった。乳癌手術における至適切除範囲の決定に際して、MRI-RVSの評価が有用である可能性を学会で報告した。(3)乳癌術前薬物療法施行症例における至適切除範囲の決定:平成24~26年度で計10例の乳癌術前薬物療法施行症例に対して、MRI-RVSを用いて、乳癌術前薬物療法前後の病変の進展範囲を評価したのち、至適切除範囲を決定し、乳房温存手術を施行した。全10症例のMRI上の最大腫瘍径中央値はNAC前3.25㎝、後1.65㎝で、10例中9例でNACによる温存切除範囲の縮小が可能となり、10例すべてで組織学的に切除断端は陰性であったことを学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRI-RVSの有用性に関する各評価項目の集積はほぼ終了しており、平成26年度中に結果をまとめて、論文発表を行う予定であったが、平成26年度の研究代表者の所属機関の移動に伴い、研究の核である画像融合機能搭載超音波装置の機種および研究環境が変わり、体制の整備に時間を要したのと、機種が異なっても同様の結果となるかどうかの検証が必要であったため、研究の進行がやや遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
(1)MRI造影病変のRVSガイド下針生検の精度検証:本研究課題において当初設定した目標予定症例数には達していないが、研究実績の概要でも述べたように、平成26年度から、同内容の多施設共同研究に参加することになったため、症例の蓄積および結果の解析は本研究課題ではなく別の多施設共同研究で行う方針に変更した。 (2)手術可能乳癌の拡がり診断と至適切除範囲の決定:当初設定した目標予定症例数にも達し、結果の解析および結果の妥当性の検証もほぼ終了しており、今後、論文にまとめ、報告を行う予定である。 (3)乳癌術前薬物療法施行症例における至適切除範囲の決定:研究代表者の所属機関の移動に伴い、画像融合機能搭載超音波装置の機種および研究環境が変わったため、今後、機種が異なっても同様の結果となるかどうか検証を行っていく(目標予定症例数 10例/平成27年度)。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで研究の進行状況はおおむね順調であり、平成26年度中には結果を論文にまとめ、報告を行う予定であったが、平成26年度の研究代表者の所属機関の移動に伴い、研究に用いる画像融合機能搭載超音波装置の機種や研究環境が変わり、体制の整備および異なる機種で同等の結果が得られるかの検証が必要であったため、論文作成が遅れ、論文の英文校正費用などの未使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
機種の異なる画像融合機能搭載超音波装置を用いた追加検証と論文発表を平成27年度に行う予定であり、これらの経費や英文校正費用に充てる予定である。
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