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2013 年度 実施状況報告書

HDAC・PARP制御を介した合成致死誘導の分子基盤と乳癌治療へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 24591923
研究機関九州大学

研究代表者

上原 範久  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30368211)

キーワードHDAC inhibitor / nicotinamide / 合成致死 / DNA damage / breast cancer
研究概要

DNA二本鎖切断修復(相同組換え修復)機構が破綻している癌細胞への一本鎖切断修復(塩基除去修復)阻害は、重度のゲノム不安定性を惹起し、細胞は死に至る(合成致死)。本研究では、ヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC)阻害剤の有するDNA二本鎖損傷誘導能と水溶性ビタミンの一種であるニコチンアミド(NAM)の有する塩基除去修復酵素poly (ADP-ribose) polymerase (PARP)阻害作用に着目し、HDAC・PARP制御を介した合成致死誘導による乳癌の抑制とその分子機序に関して研究を行った。昨年度、正常乳腺上皮細胞へのvorinostat+NAM処理における細胞毒性は非常に低かったのに対して、一般的に予後不良とされるbasal typeに属する乳癌細胞(MDA-MB-231、BT549)に対して顕著に細胞死が誘導されることを見出した。今年度は、vorinostat・NAM併用によるの乳癌細胞DNA損傷応答シグナル経路の分子機序に関して詳細な検討を行った。vorinostat・NAM併用によるMDA-MB-231細胞へのDNA損傷蓄積に関して、DNA二本鎖切断マーカーであるγH2AXの発現をウェスタンブロット法により解析した結果、vorinostat単剤処理と比較して、vorinostat・NAM併用により顕著なγH2AXの蓄積が検出された。このγH2AXの蓄積に伴い、DNA損傷応答に関連する様々な分子群の活性化も確認された。今後ヌードマウスを用いたin vivo実験を行うことで、vorinostat・NAM併用による合成致死を起点とした乳癌治療応用とその分子機序解明の一助となりうるものと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各サブタイプに属する乳癌細胞株のvorinostat・NAMに対する感受性評価とDNA損傷応答の分子メカニズムに関して一定の成果が得られている。

今後の研究の推進方策

平成26年度研究計画遂行にあたり、ヌードマウスを用いたvorinostat・NAM併用による乳癌抑制のin vivo評価に関する実験は、九州大学大学院歯学研究院動物飼育施設を使用する。当該動物実験計画はすでに九州大学において承認済みであり、研究計画の遂行に支障はない。研究成果は論文にて公表する。

次年度の研究費の使用計画

購入予定の試薬(PARP-1 Enzyme Activity Assay (Millipore))がメーカー在庫の関係上年度内での確保が不可能であったため、当該年度における研究進捗状況と鑑みて次年度使用へ計画を変更した。
次年度使用額(78,755円)は、平成26年度研究計画における研究経費(消耗品費)としてPARP-1 Enzyme Activity Assay (Millipore)の購入を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Inhibition of in vitro cell motility and invasive potential by microRNA-148a in human breast cancer cells2013

    • 著者名/発表者名
      上原範久、義澤克彦
    • 学会等名
      日本癌学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20131003-20131005

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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