研究課題/領域番号 |
24591927
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
山内 清明 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 部長 (00291427)
|
研究分担者 |
上野 貴之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40452362)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | メニン / 乳癌ホルモン療法 |
研究概要 |
乳がん組織におけるメニン発現解析の実績としては、抗メニン抗体を用いた乳がん組織のメニン発現の解析用の組織として、がん集学的治療研究財団(JFMC)34-0601試験に登録された107症例のうち組織提供の許可を得られた57例の乳がん組織の使用許可を得た。JFMC34-0601試験は,StageII,IIIA の閉経後ホルモン陽性原発性乳癌を対象に,アロマターゼ阻害剤エキセメスタンを用いた術前ホルモン療法 24 週間連続投与の腫瘍縮小効果および安全性を検討し,その臨床的有用性を検証することを目的としている。また,腫瘍縮小効果予測,病理組織学的効果と長期予後予測に関係する臨床病理学的マーカー,分子生物学的マーカーを検索することを副次目的としているため、アロマターゼ阻害剤の効果予知因子としてのメニンの可能性を検討する我々の研究に使用できることになったことは極めて意義深い。現在薄切切片作成の開始を待っているところである。ちなみにJFMC34-0601試験では閉経後エストロゲン受容体陽性原発性乳癌に術前エキセメスタン(1日当たり25mg)を24週間投与した結果、閉経後原発性乳癌でBMI(Body Mass Index)が低い患者には、ステロイド型アロマターゼ阻害剤(AI)エキセメスタンによる術前療法の腫瘍縮小効果が低い可能性が明らかとなった。本研究は共同研究施設の京都大学医学部乳腺外科から発表された。 一方、メニン遺伝子導入実験のための実績としては、メニン遺伝子(men-1)を保有している香川大学医学部内分泌内科・村尾孝児先生に発現ベクターの供給を現在依頼中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
JFMC34-0601試験に登録された57例の乳癌組織の使用許可を得るために約6ヶ月を要した。また57例の薄切切片はすで使用済みであるため、新たに薄切切片を作成する必要があるが、それの許可を得るための手続は終了し、現在は許可待ちの状態である。メニン遺伝子導入実験のためにメニン遺伝子(men-1)を保有している香川大学医学部内分泌内科・村尾孝児先生に発現ベクターの供給を依頼したが、現在許可待ちである。
|
今後の研究の推進方策 |
がん集学的治療研究財団(JFMC)34-0601試験に登録された107症例のうち組織提供の許可を得られた57例の乳がん組織を用いたメニン発現解析のための免疫組織染色、およびメニン遺伝子導入乳がん細胞株のアロマターゼ阻害剤耐性実験、さらに各種統計解析を行い、アロマターゼ阻害剤の効果予測因子としてのメニンの可能性を探求する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
がん集学的治療研究財団(JFMC)34-0601試験に登録された107症例のうち組織提供の57例の乳癌組織の使用許可が遅れたために次年度の使用額が生じた。薄切切片が得られ次第、57例の乳がん組織を用いたメニン発現解析のための免疫組織染色、およびメニン遺伝子導入乳がん細胞株のアロマターゼ阻害剤耐性実験、さらに各種統計処理に使用予定である。
|