研究課題
前年度の検討により、DNP内包化蛍光リポソーム(DNBS-LP-ICG-C18)のin vitroにおける近赤外光照射により内包されたDNPが放出されていること裏付けるデータを得ることができたが、その効率は近赤外光10分の照射で25%程度と低く、リポソームの構成や近赤外光の照射方法等に改善の余地があるものと考えられた。前年度の検討では、放出された遊離DNPとリポソーム内に残されたDNPを分離するためにゲル濾過を用いたが、この方法では計測に相当量のサンプルと時間を要することから、最適化にはより簡便な計測システムが必要なものと考えられた。そこで490nmの励起光で520nm程度の極大波長を有する蛍光を発するフルオレセインが、塩化コバルトと会合することにより消光する性質に着目し、内包物質の放出効率を相関するフルオレセインの蛍光の減弱で検出することのできる新しいシステムの開発を行った。脂溶性のDNPであるDNBS(ジニトロベンゼンスルホン酸)に対し、1:10~10:1のモル比のフルオレセインを含有するリポソームを作成し、近赤外光を照射、DNBSの放出量とフルオレセインの蛍光減弱量の相関を検討したところ、DNBSとフルオレセインのモル比5:2のものが最もよく相関することが明らかとなった。今後の蛍光化リポソームのDNP放出効率最適化に向け、効率的な計測システムの構築が可能となったものと考えられる。
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