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2013 年度 実施状況報告書

食道扁平上皮癌に対する抗HER3抗体療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24591936
研究機関山梨大学

研究代表者

河口 賀彦  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80402048)

キーワード食道扁平上皮癌 / HER2 / HER3 / 抗HER3抗体
研究概要

本研究は、食道扁平上皮癌におけるHER2とHER3の関連を調べ、抗HER3抗体の食道扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果を検討することにより、食道癌の新たな治療体系を確立することを目的とする。
昨年度、食道扁平上皮癌細胞株であるTE-1, TE-2, TE-3, TE-4, TE-5, KYSE30, KYSE50, KYSE70, KYSE110のHER3発現を、抗HER3抗体を用いてフローサイトメトリーにて測定した。その結果、KYSE30がMFI 45.97と最も高発現であった。またKYSE50, TE-4がそれに次いで高発現株であった。HER3の中発現株はTE-3, TE-5, TE-2であり、低発現株はTE-1, KYSE110であった。そこで今年度はこれらの抗HER3抗体の食道扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果、特にリンパ球を介した抗体依存性細胞障害をin vitroで検討した。具体的には51Crでラベリングした食道癌細胞株とPBMCを培養後、抗HER3抗体添加群と非添加コントロール群を作製し、γ counterにて測定した。その結果、最も高発現株であるKYSE30とその他の細胞株における細胞障害活性を比較検討したが、有意な差を認めなかった。HER3の発現に関して再度検討を行うと昨年度高発現株と位置づけたKYSE30と低発現株と位置づけたTE-1,KYSE110の発現の差が少ないことが原因のひとつと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

食道扁平上皮癌細胞株のHER3発現の測定を行い、高発現株から低発現株を分類し、これらの抗HER3抗体の食道扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果、特にリンパ球を介した抗体依存性細胞障害の検討を行った。高発現株と他の細胞株における細胞障害活性を比較検討したが、有意な差を認められなかった。

今後の研究の推進方策

今回使用した食道癌細胞株以外の癌細胞株を用いて、まずHER3発現を検討する。より発現の差を認める細胞株を使用し、細胞障害活性について検討を行う。
また、HER3の発現の増幅やeffect側のリンパ球の活性を高めた細胞障害活性についても検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、試薬、抗体等が定価より安価で購入できたため未使用金が生じた。
平成26年度は、食道癌細胞株や他の癌腫の細胞株におけるHER3発現を抗HER3抗体を用いてフローサイトメトリーにて測定を行う。発現の差の高い細胞株について抗HER3抗体を用いて51Crでラベリングした食道癌細胞株とPBMCを培養後、抗HER3抗体添加群と非添加コントロール群を作製し、γ counterにて測定することにより食道扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果、特にリンパ球を介した抗体依存性細胞障害機構(ADCC)を検討する。また、HER3の発現の増幅やeffect側のリンパ球の活性をIL-2により高めた細胞障害活性についても検討する。上記の検討に必要な抗体、試薬、薬剤を平成25年度の未使用金と合わせて購入予定である。
また、不足しているディスポーザブル用品も購入予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Lapatinib acts on gastric cancer through both antiproliferative function and augmentation of trastuzumab-mediated antibody-dependent cellular cytotoxicity.2013

    • 著者名/発表者名
      Shiraishi K
    • 雑誌名

      Gastric Cancer

      巻: 16(4) ページ: 571-80

    • DOI

      10.1007/s10120-012-0219-5

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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