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2012 年度 実施状況報告書

消化管間質腫瘍に対する新規治療標的の同定

研究課題

研究課題/領域番号 24591937
研究種目

基盤研究(C)

研究機関浜松医科大学

研究代表者

菊池 寛利  浜松医科大学, 医学部, 助教 (70397389)

研究分担者 今野 弘之  浜松医科大学, 医学部, 教授 (00138033)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード消化管間質腫瘍 / 癌幹細胞 / マイクロアレイ / 分子標的治療
研究概要

固形癌における癌幹細胞 (cancer stem cell; CSC) 理論と同様に、消化管間質腫瘍(Gastrointestinal stromal tumor : GIST)にもstem cell が存在するとの仮説に基づき、この細胞集団の同定さらに遺伝子発現の特徴から、GIST に対する新規治療標的を同定することを最終目的とし、以下に示す実験を行った。
1.外科手術にて切除した胃GIST臨床検体5例から、cancer tissue originated spheroids (CTOS) 作成方法を用いて、GIST originated spheroids (GISTOS) を作成した。具体的には、GIST 組織をミンス後Liberase DH にて酵素処理し、金属フィルターにて濾過し、organoids を作成する。これをStemPro(+ supplements)培養液中で培養しGISTOS を得た。
2.得られたGISTOSをウシ血清存在下で培養することにより、分化したGIST細胞を得た。この細胞からDNAを抽出し、元の腫瘍と同じc-kit遺伝子変異を有していることを確認した。
3.得られたGISTOSをヌードマウスの皮下へ移植し、GIST 皮下腫瘍の形成を試みたが、未だ成功にいたっていない。GISTOSが移植先のヌードマウス皮下にて、元のGISTと同様の組織像を持つ腫瘍を形成することにより、GISTOSがstem cellとしての特徴を持つことが示されるため、以後の研究を遂行するために必要な実験として、現在改良を重ね継続中である。
4.得られたGISTOS(stem cell +++)と元の臨床GIST(stem cell +/-)における遺伝子発現を、マイクロアレイにて比較解析する準備を行っている。上記2.の結果が得られた際には速やかに解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

外科手術検体5例からの、GIST originated spheroids (GISTOS)作成は成功し、GISTOSのサンプルおよび元の腫瘍は保存済である。得られたGISTOS(stem cell +++)と元の臨床GIST(stem cell +/-)における遺伝子発現を、マイクロアレイにて比較解析する予定であり準備はできているが、解析開始までに、GISTOSがstem cellとしての特徴を持つことを確認する必要があると考える。このため、得られたGISTOSをヌードマウスの皮下へ移植し、GIST 皮下腫瘍の形成を試みたが、移植マウスに生着せず未だ成功にいたっていない。現在改良を重ね検討中であるが、手術によって得られる臨床検体を要する実験であり、新規手術症例を待つ必要が生じるため、各実験開始までに時間を要する。これらの理由から、研究の進行が当初の計画より遅れている。

今後の研究の推進方策

外科手術検体から得られたGISTOSをヌードマウスの皮下へ移植し、形成された皮下腫瘍が元のGISTと同様の組織像を持つことを確認する。これにより、GISTOSがstem cellとしての特徴を持つことが示されるため、以後の研究を遂行する。
GISTOS(stem cell +++)と元の臨床GIST(stem cell +/-)における遺伝子発現を、マイクロアレイにて比較検討し、GIST におけるstem cell 特異的に発現している、新規治療標的となり得る分子を同定する。
ヌードマウスの皮下GIST腫瘍において、新規標的に対する中和抗体あるいは利用可能であれば低分子阻害剤をimatinib に加えて投与した場合の腫瘍増殖抑制効果を検討する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Effect of miR-122 and its target gene cationic amino acid transporter 1 on colorectal liver metastasis2013

    • 著者名/発表者名
      Iino I, Kikuchi H, Miyazaki S, Hiramatsu Y, Ohta M, Kamiya K, Kusama Y, Baba S, Setou M, Konno H.
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 104 ページ: 624-30

    • DOI

      10.1111/cas.12122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rapid relapse after resection of a sunitinib-resistant gastrointestinal stromal tumor harboring a secondary mutation in exon 13 of the c-KIT gene2012

    • 著者名/発表者名
      Kikuchi H, Miyazaki S, Setoguchi T, Hiramatsu Y, Ohta M, Kamiya K, Sakaguchi T, Konno H.
    • 雑誌名

      Anticancer Research

      巻: 32 ページ: 4105-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 進行・再発GISTに対する集学的治療の現状2012

    • 著者名/発表者名
      菊池寛利, 太田学, 今野弘之
    • 雑誌名

      日本消化器病学会雑誌

      巻: 109 ページ: 2031-41

    • 査読あり
  • [学会発表] 進行胃GISTに対する集学的治療2013

    • 著者名/発表者名
      菊池寛利、今野弘之他
    • 学会等名
      第85回日本胃癌学会総会
    • 発表場所
      大阪府大阪市
    • 年月日
      20130227-20130301
  • [学会発表] 消化管間質腫瘍における悪性化関連バイオマーカーの探索2012

    • 著者名/発表者名
      菊池寛利、今野弘之他
    • 学会等名
      第23回日本消化器癌発生学会総会
    • 発表場所
      徳島県鳴門市
    • 年月日
      20121115-20121116
  • [学会発表] 分子標的薬時代における転移・再発GISTに対する治療戦略2012

    • 著者名/発表者名
      菊池寛利、今野弘之他
    • 学会等名
      第10回日本消化器外科学会大会
    • 発表場所
      兵庫県神戸市
    • 年月日
      20121010-20121013
  • [学会発表] 分子標的治療後に外科的切除を行った再発GISTの検討2012

    • 著者名/発表者名
      菊池寛利、今野弘之他
    • 学会等名
      第67回日本消化器外科学会総会
    • 発表場所
      富山県富山市
    • 年月日
      20120718-20120720
  • [学会発表] 消化管悪性腫瘍の肝転移機構および新規分子標的の探索2012

    • 著者名/発表者名
      菊池寛利、今野弘之他
    • 学会等名
      第21回日本がん転移学会学術集会
    • 発表場所
      広島県広島市
    • 年月日
      20120712-20120713
  • [学会発表] Surgical intervention for metastatic GISTs in the era of TKIs.2012

    • 著者名/発表者名
      Hirotoshi Kikuchi, Hiroyuki Konno, et al.
    • 学会等名
      10th International Conference of the Asian Clinical Oncology Society
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      20120613-20120615
  • [学会発表] GIST治療個別化へ向けたバイオマーカーの探索2012

    • 著者名/発表者名
      菊池寛利、今野弘之他
    • 学会等名
      第112 回日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      千葉県幕張市
    • 年月日
      20120412-20120414

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公開日: 2014-07-24  

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