研究課題/領域番号 |
24591949
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
齋藤 誠哉 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00594475)
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研究分担者 |
林 尚子 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20452899)
馬場 祥史 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 講師 (20599708)
岩槻 政晃 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (50452777)
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キーワード | microRNA / 食道扁平上皮癌 / 個別化治療 / DCF療法 / 術前化学療法 / 生検組織 / RPN2 |
研究概要 |
新たな遺伝子発現調整分子として、癌研究において注目されているmiRNAであるが、癌の薬剤耐性獲得との関連性についても報告されている。当科において食道癌で高発現していることを証明したmiR-21であるが、gemcitabinに対する感受性との関連が報告され、胃癌においては多剤耐性の胃癌細胞株を用いて、miR-15bとmiR-16を過剰発現させると複数の薬剤に対する感受性を亢進させることが分かった。 ≪方法≫ 2008年6月から2009年10月に治療前生検でリンパ節転移陽性食道扁平上皮癌と診断された40例を対象とし、パラフィン包埋された治療前の生検組織よりtotal RNAを抽出し、症例全例に術前DCF療法を2コース施行し、化学療法の効果判定と生検組織におけるmiRNAの発現を確認した。 ≪結果≫ 79症例に対する免疫染色の結果、RPN2は51例に発現を認め、28例では発現を認めなかった。RPN2発現陽性群では、RPN2発現陰性群と比べ、すべての評価方法においてDCF療法の治療効果が有意に低かった。すなわち、治療前の生検組織においてRPN2の発現がDCFの効果を予測することを示した。現在、miR-27の発現について鋭意解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体の生検組織によるmiR-27の解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
新規miR-gene pathway の同定と検証 現在臨床検体の生検組織によるmiR-27の解析を進めている。 その後、in vitroにて研究を進行中であるが、(1) 食道癌株化細胞を用いてluciferase assay を行い、miR-27とRNP2 3’UTRとのbinding を確認する。miR -27の株化細胞へ強制発現 (pre-miR)、発現抑制 (anti-miR)と 標的遺伝子のsiRNA による発現抑制行い、実際にmiR-27がRPN2の標的になり得るかを検証している。 (3) miR 27の発現を変化させることによって、標的遺伝子RPN2の発現変化や増殖・浸潤能の変化、抗癌剤感 受性変化を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品等に関して、当初の想定より比較的安価にて購入できたため。 in vitroにて研究を進行する際の、食道癌株化細胞やsiRNA試薬などの試薬購入に当てる予定である。また、研究関連書類のファイリング、実験データの管理、保管等を補佐してもらうための人件費に充てる予定である。
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