研究課題/領域番号 |
24591949
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
齋藤 誠哉 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00594475)
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研究分担者 |
林 尚子 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20452899)
馬場 祥史 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 講師 (20599708)
岩槻 政晃 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (50452777)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | microRNA / 食道扁平上皮癌 / 胃癌 / DCF療法 / Herceptin / RPN2 / PTEN / FBXW7 |
研究実績の概要 |
新たな遺伝子発現調整分子として、癌研究において注目されているmiRNAであるが、癌の薬剤耐性獲得との関連性についても報告されている。当科において食道癌で高発現していることを証明したmiR-21であるが、gemcitabinに対する感受性との関連が報告され、胃癌においてはHerceptin耐性の胃癌細胞株を用いて、miR-21の発現を低下させるとHerceptinの薬剤に対する感受性を亢進させることが分かった。私たちは、食道癌の薬剤耐性を規定する遺伝子としてRPN2に注目し、治療前生検でリンパ節転移陽性食道扁平上皮癌と診断された79例を対象とし、パラフィン包埋された治療前の生検組織の免疫染色により治療効果を予測できないか検討した。79症例に対する免疫染色の結果、RPN2は51例に発現を認め、28例では発現を認めなかった。RPN2発現陽性群では、RPN2発現陰性群と比べ、すべての評価方法においてDCF療法の治療効果が有意に低かった。治療前の生検組織においてRPN2の発現がDCFの効果を予測することを示した。しかし、食道癌のDCF効果予測を示すmicroRNAの発見には至らなかった。 そこで、胃癌における薬剤耐性の機序とmicroRNAの発現について調べることとし、胃癌におけるHerceptin耐性関連microRNAとして、miR-21, miR-223を同定した。miR-21はPTEN,miR-223はFBXW7をそれぞれtargetとしており、それらの発現を制御することによりHerceptin耐性に関与していると考えられた。
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