研究課題
本研究においてわれわれは、docetaxel、cisplatin、5-fluorouracil(DCF療法)による術前化学療法を施行した食道扁平上皮癌症例を対象に、治療前生検組織におけるmicroRNA (miR)による治療感受性予測の可能性を明らかにすることを目的とした。平成26年には、臨床におけるDCF療法の効果と生存成績を論文報告した。また、臨床症例を前向きに蓄積するとともに、引き続き術前生検組織の収集を進めた。化学療法感受性とmiRに関する基礎研究として、本年度はmiR-21がPTENを制御することによりHER-2陽性胃癌のTrastzumab耐性に関与することを明らかにした。またがん幹細胞のマーカーであり、治療抵抗性に関与するCD44を制御するmiRとしてmiR-328を同定し、その発現の制御に腫瘍間質のマクロファージが関与することを明らかにした。
3: やや遅れている
研究代表者の平成25年度途中での施設異動に伴い、研究体制の再構築に時間を要しました。熊本大学消化器外科学の共同研究者による基礎研究はおおむね順調に進展しています。
食道扁平上皮癌症例の治療前生検凍結標本からRNAを抽出し、治療感受性に関与するmiRの発現について検討する。in vitroにおいてmature miRもしくはantisense-oligonucleotideを食道がん細胞株にtrensfectし、miRのfunctionを解析する。また抗がん剤への持続暴露による抗がん剤耐性株を樹立し、miR発現の変化を検証する。
研究代表者の平成25年度途中での施設異動に伴い、前所属の熊本大学消化器外科との連携、癌研究会内でのがん研究所との連携等、研究体制の再構築が必要となりました。このため、平成25年度・26年度の研究計画に遅れが生じ、未使用額が発生しています。
現在、食道癌切除標本からの検体採取システムを確立し、解析を行う体制が整いつつあります。平成25年度・26年度に行う予定であった研究・解析のため平成27年度に未使用額を使用させていただきたいと考えております。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件)
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