研究課題
本研究においてはDocetaxel、cisplatin、5-FUによる術前化学療法を施行した食道癌し症例を対象に治療前生検組織におけるmicroRNA (miR)の発現による治療効果予測の可能性を明らかにすることを目的とした。化学療法感受性に関して、食道癌部においてはmiR-223が高発現し、FBXW7の発現制御を介して化学療法感受性に関与することを明らかにした。また、食道癌組織におけるRibophorin II (RPN2)の発現がDocetaxelに対する感受性予測因子となり得ることを明らかにした。一方、化学療法耐性機序のひとつと考えられるがん幹細胞と間質における腫瘍関連マクロファージ (TAM)の関連について研究を進め、TAMがmiR-30e*を介してがん幹細胞マーカーであるBmi1の発現を制御し、腫瘍増殖やshere形成能の亢進に関与することを明らかにした。食道癌患者と健常人の血清中あるいは血清から抽出したexosome中のmiR-21の発現を検討し、食道癌患者においては健常人に比較してmiR-21の高発現が認められることを明らかにした。また化学療法前後の血清中のmiR-21の変化を測定すると、化学療法奏効例ではmiR-21の有意な低下が認められるのに対して化学療法不応例ではmiR-21の低下が認められず、血清中のmiR-21の変化が化学療法治療効果のバイオマーカーとなり得ることを明らかにした。
すべて 2015
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