研究課題
最終年度は、6種類の食道癌幹細胞マーカー候補因子を同定することができた.各々の因子について、食道癌細胞株による増殖能、浸潤能評価を含めた機能解析を行い、結果が良好である因子についてさらにノックアウト細胞の樹立による親株との比較実験、マウス背部への腫瘍細胞移植による腫瘍形成能の評価、手術標本での各因子発現と臨床病理学的因子との関連性評価を行い、極めて重要な結果を得ることができた.その中でも、食道特に良好なデータを示すことができた因子は、CYHR1 (cysteine/histidine-rich1)であった.食道癌細胞株によるCYHR1遺伝子の減弱は、癌細胞の増殖能低下、浸潤能低下を引き起こし、マウス皮下における腫瘍形成能を低下させた.また、ヒト食道癌組織におけるCYHR1mRNA発現の検討では、高発現群がリンパ節転移を高率に有し、生存率が有意に低く、腫瘍深達度、リンパ節転移、病期などの因子を含めた多変量解析において、独立した予後因子であることを解明した.以上の研究成果については、論文作成を行いすでに投稿中である.また、食道癌患者の組織標本における治療感受性因子および耐性因子発現と、治療前効果予測に対する研究においては、7種類の候補因子について治療効果との相関を検討し、最終的には、癌抑制遺伝子産生蛋白、遺伝子修復因子、薬剤耐性因子、活性酸素調節因子の4種類の因子に関して治療効果との良好な相関状況を確認し得た.現在はその因子による最良の組み合わせを基にした効果予測に関しての論文を作成中である.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件)
BMC Cancer
巻: 15 ページ: 5-5
doi: 10.1186/s12885-015-1008-4
Ann Surg Oncol
巻: 21 ページ: 2347-2352
10.1245/s10434-014-3600-2
Oncol Rep
巻: 31 ページ: 1986-1992
10.3892/or.2014.3062
Oncol Lett
巻: 7 ページ: 1027-1032
Anticancer Res
巻: 34 ページ: 2727-2733
巻: 21 ページ: 2845-9.
10.1245/s10434-014-3688-4
J Gastroenterol Hepatol
巻: 29 ページ: 1435-41
巻: 34 ページ: 3431-8