研究課題/領域番号 |
24591957
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
國場 幸均 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20205363)
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研究分担者 |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
塩崎 敦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40568086)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 胃癌 / 食道癌 / 細胞内クロライド / NKCC |
研究概要 |
上部消化管癌細胞株における細胞内Cl^-による遊走能制御機構解析、細胞殊・組織におけるNa^+/K^+/2Cl^-共輸送体(NKCC)発現解析を試みた。 胃癌細胞株(MKN28)を低Cl^-培地で培養すると、細胞外Cl^-依存性に細胞内Cl^-濃度が低下することが、Cl^-感受性蛍光色素を用いた解析により確認された。また低Cl^-培地下に培養すると、細胞遊走能が有意に低下することが確認された。マイクロアレイでは、細胞内Cl^-の低下に伴い、511遺伝子のmRNA発現の増加と、170遺伝子のmRNA発現の減少を認めた。INGENUITYによるシグナル経路解析では、Top Bio Functionとして、"Cellular Movement"がランクされた。また、Top Networkとして、MEK、ID1、ID3を中心とした細胞増殖制御経路、PDCD4、TGFb,TNFAIP3、TNFRSF9、IL6、IL12、MMP9を中心とする細胞運動制御経路が明らかになり、定量的RT-PCRにおいてMMP9、ID1の低下、CCRL1の上昇を確認した。 また、食道癌細胞株6種におけるNKCC1の発現解析では、定量的RT-PCRで全種Western blottingで4種にNKCC1の発現を認めた。NKCC1高発現株(KYSE170)にsiRNAをトランスフェクションしたところ、細胞増殖抑制効果とG2 arrest効果を確認した。またNKCC1をknockdown後、マイクロアレイ解析を行ったところ、1474遺伝子のmRNA発現の増加と1807遺伝子の減少を認め、シグナル経路解析ではTop Bio FunctionとしてG2/M DNA Damage Checkpoint Regulationがランクされた。食道癌検体68例を用いた免疫染色では低分化型扁平上皮癌においてNKCC1発現が高い傾向を認めた。 これらの結果より、細胞内Cl^-がmigrationに関連した多くの遺伝子発現を制御する可能性、細胞内Cl^-を制御するNKCC1の発現が上部消化管癌細胞において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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