研究課題
平成25年度に引き続き以下のような研究を行った。1)食道扁平上皮癌切除例における癌組織中のCXCR4とCXCL12の発現を検討したところ、CXCL12陽性例は細胞増殖の指標であるMIB-1 Indexが陰性例と比較して有意に高く、CXCL12陽性例は有意に術後無再発生存割合が不良であった。2)食道扁平上皮癌細胞株TE4をヌードマウス背部に皮下注し、CXCR4阻害薬(AMD3100)を定期的に静注したところ、AMD3100投与群で腫瘍増殖が有意に抑制された。食道癌細胞株CXCR4発現株(TE4)培養上清にCXCL12を添加すると、細胞増殖が有意に亢進した。一方このTE4にCXCL12発現プラスミドを遺伝子導入し、CXCL12高発現株を作成したところ、CXCL12は培養上清中に高濃度に検出され、細胞増殖は有意に亢進した。これらの細胞増殖亢進はAMD3100投与で有意に抑制されたことから、食道扁平上皮癌の増殖にはCXCL12/CXCR4のparacrineだけでなくautocrine systemが関与していることが示唆された。3)食道癌切除例59検体におけるケモカインレセプターCXCR2・CXCR4・CCR7の発現を調べたところ、Receptor発現数が増加すると無再発生存率、全生存率ともに有意に不良となった。上記1)-3)について現在論文作成中である。
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