食道扁平上皮癌切除例における食道癌組織中のCXCR4とCXCL12の発現を検討したところ、CXCL12陽性例は有意に術後無再発生存割合が不良であり、多変量解析においても独立した予後不良因子となっていた。食道扁平上皮癌の増殖にはCXCL12/CXCR4ネットワークが関与しており、paracrineだけでなくautocrine systemが関与していることが示唆された。 食道扁平上皮癌切除例におけるCXCR2とCXCL8(IL-8)の発現を検討したところ、CXCR2(+)CXCL8(+)例は腫瘍の進行度と相関し、患者血清IL-8濃度、CRP、FDP、Fibrinogen値が有意に高値を示した。
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