研究課題
食道癌は、胃癌・大腸癌と比較してより早期での診断が、患者の生死を分ける重要な課題である。本研究では、複数の抗原抗体反応を併用して、従来の検査方法を凌駕する検査法の開発を目標としている。分子標的とする食道癌腫瘍抗原候補としては、RalA, Sui1, NY-ESO-1の3種が陽性率ならびにペプチド精製の観点から有望であることから、血清抗体検出用のELISAキットを作成して、血清RalA, Sui1, NY-ESO-1抗体の臨床病理学的意義を検討した。①研究対象は、治療前後の食道扁平上皮癌患者である。あらかじめ倫理委員会承認を得ている臨床研究として、文書により本人の了解を得て、治療経過に伴って採血する際に、同時にサンプリングした保存血液である。②初年度である平成24年度に、RalA, Sui1, NY-ESO-1の3種の血清抗体を測定できるアッセイ系を開発した。このアッセイ系を用いて健常者検体を解析して基準抗体価を設定した。健常者血清におけるELISA測定レベルの平均値+3SD をカットオフ値として陽性とした。③平成26年度ならびに平成27年度には、開発した測定キットを用いて保存検体の解析を行った。保存血清サンプルのうちステージ1から4の合計172症例について評価を行った。その結果、それぞれの血清抗体の陽性率は、血清RalA抗体=14%, Sui1抗体=8%, NY-ESO-1抗体=32%であった。各症例における陽性率はおおむねステージが進行すると高くなる傾向があった。④組織の免疫染色を行うために、保管血清サンプルのある手術施行患者を選択して、切除標本から組織アレイを作成した。免疫染色の条件設定を行った。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件)
癌と化療
巻: 42(11) ページ: 1335-1337
Immunome Res
巻: 11(2)1000097 ページ: -
10.4172/1745-7580.1000097
臨消内科
巻: 30(7) ページ: 806-809
Gratis J Biomed Sci
巻: 1(2) ページ: 49-63
10.18314/gjbs.v1i2.27