研究課題/領域番号 |
24591963
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
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研究分担者 |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
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キーワード | アミノレブリン酸 |
研究概要 |
培養癌細胞及びマウス可移植腫瘍へのALAの特異的集積を確認し、光増感作用にて抗腫瘍効果を発揮するかを検討する。そして、既存の光増感剤との比較による癌特異的集積・細胞死の強度を解析し、ALAの有効性についての基礎的データを蓄積・整理し、臨床試験に向けての準備を進めることを目標としている。 平成24~25年の計画は以下の3つの主軸である。 1)正常食道上皮細胞と培養食道癌細胞へのALA集積および細胞死誘導の比較検討 2)マウス皮下移植腫瘍及び同所性移植腫瘍へのALA集積の検出及び抗腫瘍効果の検討 3)光線力学療法に用いる既存薬剤(フォトフィリン、レザフィリン)との優位性あるいは非劣性の比較検討 アミノレブリン酸(以下ALA)は連携研究者の中島元夫博士より供与を受け、食道癌細胞および食道正常上皮細胞に対し、通常培養条件下でALAを培養液中に添加し、ALAそのものによる培養細胞の増殖への影響の有無について実験を行い、結果、ALAのみの細胞毒性は認めなかった。光照射のための設備準備を並行して行い、光照射によりALAがポルフィリンに変換されることによる細胞増殖への影響について検討する準備が整った。また、動物実験に向け、マウス可移植性食道癌細胞(TE-8, T.Tn)を用いた皮下腫瘍モデル及び同所性移植モデルの安定作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レーザー励起光照射のための設備導入したが、至適照射量などの調節に時間を要している。また、動物実験用の担癌マウスモデルの安定作成に時間を要しているため、データ蓄積のための実験に取り掛かる前段階である。
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今後の研究の推進方策 |
培養食道癌細胞及び正常食道上皮細胞を用いて、ALA及び既存の光増感剤をそれぞれ培養液中に添加し、レーザー照射後の細胞死誘導を細胞増殖曲線の描出・IC50算出・細胞死検出実験・細胞死関連分子の発現解析を行い、マウス可移植性食道癌細胞(TE-8,T.Tn)をヌードマウスの頸部食道へ移植した同所性移植モデルを用いたALAの抗腫瘍効果を検討する。腫瘍は摘出して固定ないしは凍結し、細胞死関連分子の発現について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
レーザー励起光照射の設備導入後、至適照射量などの調節に時間を要しているとともに実験用マウスの安定作成が未達成であり、結果動物購入が遅れているため。 次年度使用額は26年度請求額とあわせ、現在取り組んでいるマウス可移植性食道癌細胞をヌードマウスの頸部食道へ移植した同所性移植モデルを用いたALAの抗腫瘍効果の検討のためのマウス購入に使用する。
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