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2012 年度 実施状況報告書

固形腫瘍微小環境と細胞内レドックス制御による腫瘍幹細胞の抗癌剤抵抗性の克服

研究課題

研究課題/領域番号 24591965
研究種目

基盤研究(C)

研究機関公益財団法人田附興風会

研究代表者

上田 修吾  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 主任研究員 (80372580)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード腫瘍幹細胞 / ガレクチン / 活性酸素 / レドックス / 抗癌剤抵抗性
研究概要

固形癌の幹細胞マーカーとして重要視されているCD44に着目し、下記のCD44発現量の異なる胃癌、大腸癌細胞株を購入し、培養を開始した。KatoIII, MKN45, MKN7, MKN74, MKN28, AGS, HCT116, HT29。細胞培養に用いるウシ血清のLot checkを行い、細胞増殖が安定し、実験に適切なものを選定し、一定量を確保、購入した。
細胞表面マーカー、細胞周期解析、細胞内活性酸素量測定目的で、フローサイトメータの調整、実験条件設定等の準備を行った。
新たに低酸素培養器を購入、セットアップし、低酸素状態を確認し、細胞の培養状況を確認した。
食道癌臨床検体よりRNALater試薬を用いて、total RNAを抽出した。ガレクチン-7発現をReal-time PCR法で検討した結果、食道癌において正常食道粘膜より発現低下傾向にあることが明らかにした(癌学会2012発表)。ガレクチン-7発現調整メカニズムを調べる目的で、食道癌臨床検体よりゲノムDNAを抽出し、エピジェネティック制御のうちプロモーターメチル化の関与を予想し、メチル化特異的PCRに用いるプライマーを設定し、条件設定を行った。実験のpositive controlには、正常皮膚組織、また培養細胞としてはHeLa細胞を使用した。
胃癌、食道癌術前化学療法症例における化学療法効果判定を実施し、臨床検体を用いた抗癌剤感受性メカニズムを調査する準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞株を用いた実験がやや遅れているが、これまで臨床検体を用いた研究を中心に検討を進めた。
食道癌臨床検体においてガレクチン-7発現に大きい変化が認められることが明らかになったため、研究開始時点では予定していなかったガレクチン-7発現におけるプロモーターメチル化の関与に関する検討を行った。メチル化特異的PCRのPrimer設定、条件設定に時間を要した。
低酸素培養器を価格の低下する12月に購入したため、低酸素条件における検討にはまだ十分時間を割けていない。

今後の研究の推進方策

ガレクチン-7発現に及ぼすエピジェネティック制御の影響についてさらに検討を進める。
固形癌の幹細胞マーカーとして重要視されているCD44に着目し、CD44 standard isoformとCD44 variant formをRT-PCRで検出すべく、primerを設定し、消化器癌細胞株を用いて各々の発現程度を確認する。各細胞株の5-FU, CDDP等の抗癌剤感受性を検討する。
常酸素、低酸素培養条件で、消化器癌細胞株におけるCD44, チオレドキシン、種々のガレクチン発現と抗癌剤感受性の程度、細胞周期、細胞内レドックス、ミトコンドリア機能(膜電位)をフローサイトメーターで検討する。
消化器癌の手術検体におけるCD44や種々のガレクチンの発現を調べる。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に約31万円の次年度使用額を生じたが、これは低酸素培養器購入が遅れたため実施できなかった細胞培養実験に用いる予定であった経費である。平成25年度に実施する予定である。
DNA・RNA抽出試薬、PCR実験試薬、細胞培養試薬、フローサイトメーター実験用試薬と抗体購入試薬、各消耗品の購入を予定している。データ解析用にパーソナルコンピュータとソフトウェアーの購入を予定している。さらに、他の研究者とディスカッションし、新規研究知見の入手するため、学会参加費用にあてる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Overcoming regulatory T-cell suppression by a lyophilized preparation of Streptococcus pyogenes.2013

    • 著者名/発表者名
      Hirayama M, Nishikawa H, Nagata Y, Tsuji T, Kato T, Kageyama S, Ueda S, Sugiyama D, Hori S, Sakaguchi S, Ritter G, Old LJ, Gnjatic S, Shiku H.
    • 雑誌名

      Eur J Immunol.

      巻: 43(4) ページ: 989-1000

    • DOI

      10.1002/eji.201242800.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adrenal cavernous hemangioma with subclinical Cushing's syndrome: report of a case.2012

    • 著者名/発表者名
      Oishi M, Ueda S, Honjo S, Koshiyama H, Yuba Y, Takabayashi A.
    • 雑誌名

      Surg Today

      巻: 42(10) ページ: 973-977

    • DOI

      10.1007/s00595-012-0203-z.

    • 査読あり
  • [学会発表] 食道癌におけるgalectin-7発現2012

    • 著者名/発表者名
      上田修吾
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      札幌市中央区 ホテルロイトン札幌他
    • 年月日
      20120919-20120921

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公開日: 2014-07-24  

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