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2013 年度 実施状況報告書

固形腫瘍微小環境と細胞内レドックス制御による腫瘍幹細胞の抗癌剤抵抗性の克服

研究課題

研究課題/領域番号 24591965
研究機関公益財団法人田附興風会

研究代表者

上田 修吾  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第1研究部, 主任研究員 (80372580)

キーワード腫瘍幹細胞 / ガレクチン / 活性酸素 / レドックス / 抗癌剤抵抗性
研究概要

固形癌の幹細胞マーカーとして重要視されているCD44に着目し、下記のCD44発現量の異なる胃癌、大腸癌細胞株を購入し、培養を開始した。KatoIII, MKN45, MKN7, MKN74, MKN28, AGS, HCT116, HT-29。HCT116, HT-29については、細胞培養が安定し、実験に用いている。他の細胞株は培養が安定しないため、改めて細胞株を購入依頼した。
細胞表面マーカー、細胞周期解析、細胞内活性酸素量測定目的で、フローサイトメーターを用いて実験条件設定を行い、データが得られつつある。
新規購入した低酸素培養器を用いて、細胞の低酸素下培養状況を確認し、実験条件を検討した。
前年度に引き続き新規食道癌手術検体を用いてRNALater試薬でtotal RNAを抽出した。ガレクチン-7発現をReal-time PCR法で検討し、食道癌において正常食道粘膜より発現低下傾向にあることが確認された。
ガレクチン-7発現調整メカニズムを調べる目的で、食道癌臨床検体よりゲノムDNAを抽出し、エピジェネティック制御のうちプロモーターメチル化の関与を予想し、メチル化特異的PCRに用いるプライマーを設定した。実験のpositive controlには、正常皮膚組織または培養細胞としてはHeLa細胞を使用し、プロモーター設定デザイン、バイサルファイト処理に用いる試薬条件を変更等、実験条件を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞株を用いた実験がやや遅れているが、フローサイトメーターなどの実験条件設定はできている。
引き続き臨床検体を用いた研究を中心に検討を進めた。食道癌臨床検体においてガレクチン-7発現に大きい変化が認められることが明らかになったため、研究開始時点では予定していなかったガレクチン-7発現におけるプロモーターメチル化の関与に関する検討を行った。メチル化特異的PCR実験をPrimer設定、条件設定を変更しながら実施しているが、時間を要している。

今後の研究の推進方策

食道癌臨床検体においてガレクチン-7発現に大きい変化が認められることが明らかになったが、その遺伝子発現制御機構の検討は重要であるので、引き続きメチル化を含むエピジェネティック制御の可能性を検討する。
消化器癌の手術検体におけるCD44や種々のガレクチンの発現を調べる。ガレクチン発現と臨床情報、特に抗癌剤治療による腫瘍縮小効果の程度と予後との関連を検討する。
常酸素、低酸素培養条件で、消化器癌細胞株におけるCD44, チオレドキシン、種々のガレクチン発現と抗癌剤感受性の程度、細胞周期、細胞内レドックス、ミトコンドリア機能(膜電位)をフローサイトメーターで検討する。また、分化誘導剤、レドックス制御の可能性を有するレチノイン酸を用いて、5-FU, シスプラチンなどの抗癌剤反応性に及ぼす影響を検討する。

次年度の研究費の使用計画

実験試薬等の購入には小額であるため、次年度に使用することにした。
DNA. RNA抽出試薬、PCR実験試薬、細胞培養試薬、フローサイトメーター実験用試薬と抗体購入試薬、各消耗品の購入を予定している。他の研究者とディスカッションし、新規研究知見の入手するため、学会参加費用にあてる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Overcoming regulatory T-cell suppression by a lyophilized preparation of Streptococcus pyogenes2013

    • 著者名/発表者名
      Hirayama M, Nishikawa H, Nagata Y, Tsuji T, Kato T, Kageyama S, Ueda S, Sugiyama D, Hori S, Sakaguchi S, Ritter G, Old LJ, Gnjatic S, Shiku H
    • 雑誌名

      Eur J Immunol

      巻: 43 ページ: 989-1000

    • DOI

      10.1002/eji.201242800

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of rikkunshito, a kampo medicine, on quality of life after proximal gastrectomy2013

    • 著者名/発表者名
      Gunji S, Ueda S, Yoshida M, Kanai M, Terajima H, Takabayashi A
    • 雑誌名

      J Surg Res

      巻: 185 ページ: 575-580

    • DOI

      10.1016/j.jss.2013.06.010

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dose-dependent effects of NY-ESO-1 protein vaccine complexed with cholesteryl pullulan (CHP-NY-ESO-1) on immune responses and survival benefits of esophageal cancer patients2013

    • 著者名/発表者名
      Kageyama S, Wada H, Muro K, Niwa Y, Ueda S, Miyata H, Takiguchi S, Sugino SH, Miyahara Y, Ikeda H, Imai N, Sato E, Yamada T, Osako M, Ohnishi M, Harada N, Hishida T, Doki Y, Shiku H
    • 雑誌名

      J Transl Med

      巻: 11 ページ: 246

    • DOI

      10.1186/1479-5876-11-246

    • 査読あり
  • [学会発表] 進行胃癌に対するS-1+シスプラチン療法の抗腫瘍効果予測のためのバイオマーカー探索2013

    • 著者名/発表者名
      上田修吾、後藤 徹、岩村宣亜、戸田 怜、川本浩史、井上善景、吉冨摩美、内田洋一朗、飯田 拓、寺嶋宏明
    • 学会等名
      第51回日本癌治療学会
    • 発表場所
      京都市 国立京都国際会館
    • 年月日
      20131024-20131026

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公開日: 2015-05-28  

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