研究課題
食道癌における酸化的DNA損傷とその修復酵素に関する臨床病理学的研究:外的要因や体内で発生した酸化ストレスはDNAに作用して発癌を促す。8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)は酸化ストレスの指標で発癌を誘発する。8-OHdGは8-OHdG DNA glycosylase(OGG1)によって塩基除去修復される。今回、食道癌97例の切除標本にて8-OHdGとOGG1の免疫組織化学染色をおこなった。【結果】食道正常上皮の8-OHdGの発現レベルは喫煙指数が高いほど高かった。 8-OHdGの発現は正常部に比較して癌部で高い 一方、OGG1の発現は正常上皮に比較して癌部で低かった。 正常上皮では8-OHdGの発現が強いほどOGG1の発現も高かったが、癌部ではこの関係は認めなった。以上より、喫煙やDNA修復機構の障害は酸化的DNA損傷をもたらし、食道癌の発癌や進展に関係している可能性が示唆された。(Kubo, Morita et al. Dis Esophagus 2014)頭頸部・食道重複癌に対する外科的治療戦略の確立:頭頸部癌・食道癌はその発生に過度の喫煙、飲酒が深く関わっている一方で同時性、異時性に重複頻度がきわめて高い。さらに同時性重複癌に適応される咽・喉頭・食道全摘術は、侵襲が大きく、再建臓器の血流が不良となることが多く高難度手術である。我々は、組織血流にはとくに静脈還流が重要であるという動物実験の結果に基づき、全例、静脈吻合を付加する工夫を報告した。さらにハイリスク症例では、咽頭瘻造設や大胸筋弁被覆を用いた分割手術を導入することで侵襲を軽減し、手術適応の拡大し、治療成績の向上につなげてきた。( Morita et al. Ann Surg Oncol 2014)
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