研究課題/領域番号 |
24591971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
米田 操 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教 (60600492)
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研究分担者 |
白石 泰三 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30162762)
広川 佳史 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30322738)
石井 健一朗 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90397513)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 化学療法薬耐性獲得 / 腫瘍関連マクロファージ / 癌幹細胞ニッチ |
研究概要 |
本研究課題は、大腸癌の化学療法薬耐性獲得を克服するために、腫瘍関連マクロファージ(tumor-associated macrophages: TAMs)を主体とした癌幹細胞ニッチが新規治療標的になり得るか否かを検証することを目的としている。本年度は、基礎実験的なマクロファージ様細胞の作製を含めた下記の2点について研究を実施した。 ①PMA-THP-1細胞の作製 ヒト単球性白血病細胞株THP-1にプロテインキナーゼCを活性化させるphorbol 12-myristate 13-acetate (PMA)を4日間、作用させることで、マクロファージ様PMA-THP-1細胞を作製した。 ②ヒト大腸癌細胞株とのin vitro共培養系の確立 下部のウェル内でPMA-THP-1細胞を、上部のセルカルチャーインサート内にはヒト大腸癌細胞株HT29, HCT116, SW480を培養し、PMA-THP-1細胞における遺伝子変化をリアルタイムPCR法にて解析した。癌幹細胞活性化因子としての働きが考えられるTAMs由来の液性因子のうち、IL-1b mRNAが有意に増加することを見出した。また、IL-1b mRNAの発現上昇は共培養する癌細胞株で異なる(HT29>SW480>>>HCT116)ことが明らかとなった。一方、IL-6, IL-10, TNFa, COX-2 mRNAの発現変化は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎実験的に腫瘍関連マクロファージを作り出す前に、実験モデルとしてのマクロファージ様細胞を作製する必要があったが、既報を参考にヒト単球性白血病細胞株THP-1からマクロファージ様細胞を作製することに成功した。また、大腸癌細胞との共培養実験において発現が変動する遺伝子を複数、観察することができことで、次年度に予定している実験の基礎データを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の検討にて、PMA-THP-1細胞における癌幹細胞活性化因子IL-1bの発現を誘導するヒト大腸癌細胞株としてHT29を見出すことに成功した。次年度は、HT29と共培養することで作製するTAMs様PMA-THP-1細胞を用いて、市販されているヒト大腸癌由来癌幹細胞とin vitroおよびin vivoで3次元培養し、細胞形態および遺伝子発現の差異を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
in vivo腫瘍形成実験で用いる免疫不全マウスの購入と、遺伝子発現の変動を検討するためのリアルタイムPCRの試薬等
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