大腸癌間質組織に存在する癌関連線維芽細胞は、癌の進展に重要な役割をすると考えられている。大腸癌細胞株と線維芽細胞株の共培養によって、線維芽細胞のMMP-2が誘導され、癌細胞の浸潤能が亢進することが観察された。線維芽細胞のMMP-2発現を誘導する因子としてEMMPRINが考えられる。大腸癌の臨床検体を用いた免疫組織学的検討では、EMMPRIN、MMP-2ともに約半数の症例で発現していた。両者の発現には有意な関連を認め、EMMPRINによるMMP-2誘導を示唆する結果であった。予後因子の解析では、有意な因子を見出すことはできなかったが、EMMPRINとMMP-2の同時発現が有意な傾向を示していた。
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