研究課題/領域番号 |
24591980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中村 信治 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30423924)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | エリスロポエチン / IBD |
研究概要 |
研究目的:腎性貧血に対する薬剤として広く臨床で用いられているエリスロポエチン(EPO)の新たに判明した,抗炎症作用や血管新生作用などによる組織修復・再生作用の両面に着目,元来持つ造血作用も考慮し,原因不明の難治性疾患である潰瘍性大腸炎およびクローン病の炎症性腸疾患に対する新規治療法としての有用性を検証する. 平成24年度研究計画:患者検体を用いて,詳細な免疫学的検討を行い,炎症性腸疾患(IBD)の障害機構を明らかとすることを試みる.同時に新規治療の標的分子や治療マーカーを探索する. 研究成果:EPOが罹患腸管に作用し得るかを検討するために,EPO受容体発現(EPOR)を免疫染色により検討を行った.当科において切除を行い,患者の同意の元に得られた潰瘍性大腸炎あるいはクローン病の手術標本を用いて免疫組織染色を行い組織学的検討を行った.結果,EPORはUC及びクローン病いずれの腸管にも発現を認め,EPOがヒトIBD罹患腸管に作用する可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
(1) IBD組織中の自然免疫および獲得機構の解析 (2) IBD組織中の粘膜再生の可能性についての検討 (3) IBD患者血清中の免疫活性およびVEGF発現の検討 (4) IBD組織でのEPO受容体の発現の検討 本来平成24年度は上記を予定していたが,現在のところ(4)のみしか十分に達成していないため.
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今後の研究の推進方策 |
平成25・26年度はマウスモデルを中心としたエリスロポエチン(EPO)の腸管障害抑制効果について検討し,臨床応用の可能性を探求する予定である.またEPOの組織修復,腸粘膜再生機能を明らかとし,IBDに対する新規治療法の可能性についても検討する予定.
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次年度の研究費の使用計画 |
IBDマウスモデルを使用するため,BALB/Cマウスや IL-10ノックアウトマウスを購入予定. また,マウス腸管局所における,免疫応答,組織障害,EPOによる粘膜再生,血管新生を検討するため,各種PCR試薬,プライマー,抗体,また細胞株などを購入予定.
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