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2013 年度 実施状況報告書

エリスロポエチンの炎症性腸疾患に対する新規治療の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 24591980
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

中村 信治  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30423924)

キーワードエリスロポエチン / IBD
研究概要

腎性貧血に対する薬剤として広く臨床で用いられているエリスロポエチン(EPO)の新たに判明した,抗炎症作用や血管新生作用などによる組織修復・再生作用の両面に着目,元来持つ造血作用も考慮し,原因不明の難治性疾患である潰瘍性大腸炎およびクローン病の炎症性腸疾患に対する新規治療法としての有用性を検証する.
平成25年度研究計画:マウスモデルを用いて,エリスロポエチン(EPO)の腸管障害抑制効果について検討し,臨床応用の可能性を探求する.具体的にはDSS(デキストラン硫酸ナトリウム)投与による薬剤誘導性IBDモデルあるいは遺伝子改変IL-10ノックアウトマウスを用いて,human recombinant EPO(100-150IU/mouse)による腸管障害抑制効果を検討する.体重減少率および生存率を検討するとともに,組織学的傷害度の検討を行う.また,Real-time PCRによる局所のサイトカイン・ケモカイン発現の測定の他,MPO染色やTUNEL染色等により,好中球浸潤,アポトーシス等の抑制効果について解析し,予想通りEPOの抗炎症作用が炎症性腸疾患に対して発揮されるかどうかを検討する.またnaive及びcontrol群とHb/Ht値を比較し,造血効果についても同時に検討する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

遅れている理由として,DSS(デキストラン硫酸ナトリウム)投与による薬剤誘導性IBDモデルの確立に時間を要した事が挙げられる.但し,確立後は安定した炎症を認めており,まず行ったEPO投与群の生存率や体重減少の改善を認めた.またReal-time PCRを用いてEPOによる腸管局所のサイトカイン・ケモカイン(TNF-α,IL-1β,IFN-γ,IL-10,RANTES, MCP-1, MIP-1α, CCR5, CXCR3, E-selectin, ICAM-1等)の測定を行っているがこれは現在も継続中である.いくつかのサイトカインでは免疫活性抑制との相関を認めた.IL-10ノックアウトマウスでの同様の検討を試みたが炎症の発症が不安定であり十分な結果を得ることができなかった.またEPOによるHb/Htの増加を認めEPOの基本作用である造血効果は確認できた.

今後の研究の推進方策

平成26年度は引き続きReal-time PCRを用いたEPOによる腸管局所のサイトカイン・ケモカインの測定を継続する.また,前述のマウス腸炎モデルを用い腸管粘膜の再生をEPO投与群と対照群とでの比較を行う.体重回復率, BrdUやPCNAを用い粘膜再生を詳細に検討する予定.また,EPOによる大腸上皮細胞培養系を用いて,EPOの添加が正常培養系細胞に対して増殖を促進し得るかどうかを検討する予定.

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公開日: 2015-05-28  

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