研究概要 |
<研究の目的> 大腸癌の発生は APC, K-ras, PRL-3 と多段階的に生じる分子異常の蓄積で起こることがしられている。これら遺伝子変化(変異、増幅)の臨床的意義を多数検体で同時に調べた報告はなく、またそれらの治療標的としての可能性についても十分検討されているとはいえない。われわれはこれまでの研究から K-ras 変異と PRL-3 遺伝子発現増加が大腸癌治療標的として特に有望とする研究結果を得ているが、今回はそれをさらに発展させ PRL-3 抑制の治療的意義を K-ras 変異の影響有無で分けて解析することにより大腸癌における分子標的治療の可能性を探ろうと本研究を企画した。 平成25年度は以前報告した大腸癌の PRL-3 遺伝子発現増加と遺伝子増幅の関係について検証した。大腸癌における PRL-3 遺伝子増幅の頻度は Dukes A/B versus Dukes C/D で大きく異なっていたいが (Hatate K, Oncol Rep 2008)、今回の遺伝子増幅についての検討も評価した。前回と異なり、肝臓転移症例で手術で検体が入手できたものについては原発巣との遺伝子増幅の違いも解析した。解析は Real time PCR を用いて定量的に行った。
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