(1)K-ras遺伝子変異は原発癌ではステージング因子などと相関はなく、原発癌あるいは転移癌において、約40%の遺伝子変異を認めた。異時性転移において原発癌では遺伝子変異がなく、転移癌で遺伝子変異を認めたものはいずれもcodon13の遺伝子変異であった。 (2)大腸癌遠隔転移に関わるPRL-3遺伝子増幅について原発巣100例と転移巣44例の遺伝子増幅程度に関して臨床病理学的検討を行った。原発巣において遺伝子増幅を高頻度に認め未分化大腸癌で頻度が高く予後不良であった。 (3)大腸癌肝臓転移巣において遺伝子増幅は原発巣に比較して有意に高くPRL-3遺伝子増幅は転移巣で濃縮されることが明らかになった。
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