研究分担者 |
吉富 秀幸 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60375631)
加藤 厚 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70344984)
清水 宏明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272318)
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
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研究実績の概要 |
本研究は近年組織修復や再生への関与が明らかにされてきている骨形成蛋白bone morphogenetic protein (BMP)-7に着目し,そのSFS肝移植後肝不全に対する抑制機構の解明からBMP-7による門脈血流modulationを用いない新規SFS対策の開発することを目的とした. 研究機関全体を通して,SFSラット肝移植モデルを確立し,recombinant human BMP-7 (rhBMP-7)をSFS肝移植術後に投与し,SFS肝不全抑制効果を検討してきた 今年度はrhBMP-7投与経路を門脈に変更するなどにより,門脈圧変化,血清中AST, ALT, T-bil値,肝不全の判定としての生存率,動物実験用CTを用いたCT volumetryなどによる肝不全抑制効果を検討した.その結果,rhBMP-7門脈内投与により血清中AST, ALT, T-bil値の低下および生存率の上昇をみることができた.一方,門脈圧そのもの,CTでの肝容量の増大に関しては有意差を認めなかった.しかし,静脈内投与と同様に個体間でのばらつきが多く,引き続いたBMP-7 antagonistであるTGF-β1,smad1, smad5などの転写因子の測定,BMP-7のtaget geneであるα-SMAの免疫染色などでは有意な所見を得ることができなかった. したがって,研究期間全体を通してみると,rhBMP-7のSFS肝不全抑制効果を確認することはできたが,そのメカニズムを証明するには至らず,また,当初予定していた生体肝移植への臨床応用としてのBMP-7のレセプターBMPR-IA (ALK3)発現等の測定にも至ることができなかった.
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