h-pruneを標的分子とした大腸癌肝転移治療の可能性について分子生物学的に検討した。大腸癌肝転移52例において、h-prune陽性例は有意に予後不良であった。大腸癌細胞株SW480にsh-RNAを遺伝子導入し、免疫不全マウスの門脈内に注入すると有意に肝転移形成が損なわれた。またh-prune高発現株では上皮性マーカーであるE-cadherinやZO-1の発現低下がみられ、間葉系マーカーであるN-cadherinやVimentinの発現増加がみられた。すなわちh-pruneの発現は上皮間葉転換EMTを促進し、肝転移を促進していると考えられた。
|