研究課題
<マウス肝細胞癌皮下モデルを用いた血管新生阻害による抗腫瘍効果の検討>アペリンーAPJに対する分子標的治療の開発のために肝細胞癌(HCC)の皮下腫瘍モデルを作成した。C3Hマウスの皮下にHCC細胞株MH134を注入した。アペリン受容体APJのアンタゴニストF13Aをマウスに投与するとコントロールマウスと比較して腫瘍発育が有意に抑制された。腫瘍発育抑制は投与7日目から見られ、観察最終日(28日目)まで持続した。皮下腫瘍作成後14日目に腫瘍組織を摘出し、HE染色を行い組織学を観察した。腫瘍の大きさはF13A治療マウスでコントロールマウスと比較して有意に縮小していたが、壊死領域の広さに差はなかった。CD34による免疫染色にてmicro vessel density(腫瘍内血管密度)を測定したところ、コントロールマウスと比較して有意にF13A治療マウスで血管密度が低かった。またcaldesmonによる免疫染色にてarterial vessel density (腫瘍内動脈血管密度)を測定したところ、同様にコントロールマウスと比較して有意にF13A治療マウスで動脈血管密度が低かった。アペリンは血管新生因子としてだけでなく、血管拡張因子としても作用することがわかっているため、10μm以上の腫瘍内動脈の数を測定した。F13A治療マウスでは10μm以上の動脈の数が有意に減少していた。F13A治療マウスはコントロールマウスと比較して体重減少や血液生化学検査値異常はみられず、治療による明らかな有害事象・副作用は見られなかった。これらの結果より、F13Aはアペリン-APJによる血管新生・血管拡張作用を抑制することによる抗腫瘍効果をもたらすことが明らかになった。
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