研究課題/領域番号 |
24592009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
田中 邦哉 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10295503)
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研究分担者 |
平野 久 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (00275075)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | CD13 / 肝転移 / 大腸癌 |
研究概要 |
大腸癌肝転移巣における癌細胞マーカーの役割について検討した。 CD133の発現は予後規定因子になるが(p=0.006)、CD44発現は予後には反映しなかった。一方で原発巣(いずれ肝転移を有することになった原発巣)のCD133とCD44発現は予後に寄与しなかった。CD44、CD133は原発巣と肝転移巣では発現強度が異なっていた。(CD44:r=0.0250 p=0.071 CD133:r=0.219 p=0.135) CD133発現陰性群と陽性群で比較すると、陰性群は陽性群にくらべ、浸潤能を示すE-cadherin発現が低(29.3%vs46.8% p=0.001)く、増殖能を示すMIB-1 index(61.6vs46.3 p=0.003)が高いことがしめされた。一方で抗がん剤耐性に関与するABCG2の発現は同程度であった。 CD133陰性群と陽性群をプロテオーム解析すると、1681蛋白を抽出しえた。陰性群で発現が高いHigh-mobility group box 1 (HMGB)蛋白を抽出した。現在同たんぱくについて解析中である。HMGB1は細胞質と核に存在しそれぞれの発現で予後を検討すると予後が逆転することをみいだした。しかしプロテオーム解析上ではCD133陰性群と陽性群でHMGB1発現に差を認めたが、実際の確認実験では差を認めなかった。 CD133発現の局在研究では、癌辺縁と中央部で発現に差は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プロテオーム解析を行ったが、蛋白量を確保するためmicro disectionは行わずに解析したため、陽性群と陰性群で差のあった蛋白が他の因子にも影響をうけるため、候補蛋白が実際発現に差があるか確認を行うと、発現に差が出ないことがあった。また候補蛋白の確認試薬が市販されていないものもおおく確認に難渋している。 また肝転移巣からの細胞株樹立が手技的に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
大腸癌肝転移巣細胞株を樹立する。 抗癌剤感受性試験を行う。 プロテオーム解析で候補にあがった蛋白を、実際に発現に差があるか確認する。差が確認できた蛋白を機能別に分類し、CD133の機能を解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度に細胞株樹立をめざしたが、他の実験が難航したことと肝転移巣からの樹立が原発巣に比べ難易度が高く難渋しており、樹立成功に至っていない。そのため研究が遅れているためH24年度に行う予定が繰り越しとなり、物品購入をしていないため繰越金が発生した。 細胞株樹立実験に関わる培地や試薬を購入する。
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